4ハン国と元は、ゆるやかな結合を保ち続け、東西世界が陸海の交通路で結ばれることになった。
それらの道を通り、人や物の交流は一段と活発化し、元の都の大都は「草原の道」「オアシスの道」「海の道」のすべてを結ぶ結節点となった。交通路とその安全を図るジャムチ(駅伝)の整備、大都と江南を結ぶ運河の整備、杭州・泉州・広州などの貿易港の繁栄は、すべて大都を基点とするものであった。マルコ=ポーロの旅もこの陸海の交通路を利用したものであった。陸路では、中国の絹・銀・茶の交易が、海路では絹・陶磁器・銅銭の交易が活発に行なわれた。海外からは、香辛料・象牙・珊瑚・真珠などがもたらされた。