最近はカメラが普及し、家庭に1台というよりも一人に1台という時代になりました。さらには使い捨てのカメラまで登場し、誰もがシャッターを押すだけで簡単に写真が撮影できる世の中です。美しい自然や旅先の思い出を記録に残しておきたいと思うのは当然で、カメラやフィルムの進歩が写真撮影を私たちの生活の一部にまでしてくれました。星を見てきれいだなと感じたことがあるでしょう。そんな時に写真に残せたらいいなと思いませんか。
 ところで天体写真とはいったい何でしょう。もちろん月や惑星、星などの天体を撮影した写真ですが、昼間に撮影する場合とはまったく条件が異なります。太陽や月を別にすれば、対象が非常に暗いのです。普通、暗い場所ではフラッシュを使って明るくして写真を撮ります。ところが星はそうはいかず、星に向かってフラッシュをたいても何の効果もありません。そこで天体写真と聞くと、特別なカメラとフィルムが必要でとてもむずかしいものだと思われるかもしれません。確かに特殊な器材を使う場合もありますが、星座を写すのなら家庭にあるカメラと普通のフィルムを使って簡単にできるのです。使い捨てカメラと呼ぶインスタントカメラでさえも、くふうしだいでちゃんとした天体写真が撮影できます。
 このサイエンスガイドは、皆さんが手軽に天体写真が撮影できるようにまとめてみました。ぜひ一度カメラを夜空に向けて、美しい星たちを自分のものにしてほしいと思います。旅先でのスナップとしても、とてもいい記念になるでしょう。もしかすると、新しい天体の大発見につながるかもしれません。ただし撮影は夜なので危険な事もありますから、大人の人といっしょに、事故などに十分気をつけて行ってください。


次ページへ進む