岐阜県の工業教育

岐阜県高等学校教育研究会工業部会
部会長(岐阜工業高等学校 校長)


 これまでの本県の歩みを振り返えると、本県の工業教育は、明治31年に東濃地域の地場産業振興を目的に創設された多治見工業高校以来、大正末期には美濃地方の繊維・染色産業の人材育成を目指して、岐阜工業高校、大垣工業高校が設立され、その後、戦争が激化した昭和18年頃には軍需産業関連地域に岐南工業高校、関商工高校、中津川工業高校、高山工業高校が設立され、それぞれの学校に機械科が設置されました。この他に、昭和23年には鉱山高校を前身とする神岡町立神岡工業高校が開設され、昭和33年には現岐阜第一高校に自動車科が開設されております。
 ここまでの時代はいわば本県の工業高校の創生期ともいえる時期であり、その後、生徒減少期となった平成10年頃までは、一部に学科改編等はあったものの学校数としては創生期の状況が続いておりました。また、平成9年度には教育改革の流れもあって統合により岐阜西工業高校は岐阜総合学園高校へ、神岡工業高校は、飛騨神岡高校へと生まれ変わっております。

 このように改めて工業教育を振り返ると、まさにそれぞれの時代を色濃く反映してきたことに気付かされます。そして現在に立ち返ると、ものづくり産業の拠点の海外移転、一層進展する少子化の問題等々、工業教育を取り巻く状況には予断を許さないものがあり、今まで以上に、地域の産業界や地域社会と連携を密にしながら工業教育のビジョンを描いていかなければならないと考えております。

 なんと申しましても私たちの岐阜県は、ものづくり産業によって支えられている県であり、ものづくりの元気こそが岐阜県の元気であります。今後とも様々な場面で皆様方のご支援を仰ぎながら、次の時代の「ふるさと岐阜」を支える人材の育成に取り組んで参りますのでなにとぞよろしくお願いします。

 このホームページは、工業部会、教職員ならびに工業系高校で学ぶ生徒たちの日々の教育活動とその成果をご覧いただくために運用しています。工業教育に興味・関心を持っていただき、工業高校を身近に感じていただくとともにご理解いただき、応援していただければ幸いに存じます。