気象衛星きしょうえいせいについて

気象衛星きしょうえいせいについてのあれこれ

気象衛星きしょうえいせいとは

今のお天気がどうなっているのかを知りたければ、あなたは教室のまどの外を見るでしょう。するとお日様がっていたり、くもっていたり、雨がっていたりする様子が見えます。

学校の屋上に出てみましょう。もう少し広い範囲はんいのお天気が分かります。自分の所は雨がっていないけれど、となりの町では雨がっているようだというようなことが分かります。御嶽山おんたけさんや白山など高い山のてっぺんまでのぼると岐阜ぎふ県内の天気がどうなっているか見えます。飛行機ひこうきに乗れば中部地方全体の雲の様子が見えることもあります。国際宇宙こくさいうちゅうステーションからだと日本全体が見えるでしょう。もっと遠くにある人工衛星じんこうえいせいから見れば地球全体が見えるでしょう。

広い範囲はんいのお天気を観察かんさつするカメラをんだ人工衛星じんこうえいせい気象衛星きしょうえいせいと言います。

世界各国かっこく気象機関きしょうきかんは、協力きょうりょくして多くの気象衛星きしょうえいせいばし、世界中のお天気を宇宙から監視かんししています。その衛星えいせいった写真は毎日のテレビや新聞の天気予報よほうにも利用りようされています。

静止せいし気象衛星きしょうえいせい「ひまわり」

夜空を見上げていると星の間を動くものが見えることがあります。早く動くのは「流れ星」、ゆっくり動くのは「飛行機ひこうき」か「人工衛星じんこうえいせい」です。飛行機ひこうきだと羽の両側りょうがわに赤と緑のライトがついているので人工衛星じんこうえいせい区別くべつできます。普通ふつう人工衛星じんこうえいせいは2~3分で動いていって見えなくなります。ぎゃく人工衛星じんこうえいせいから雲の写真をってもあなたの町の上の写真をずっとつづけることは出来ません。

自分の頭の上にずっと止まって写真をつづけるような人工衛星じんこうえいせいが出来たらいいのに、と言うことで開発されたのが「静止せいし気象衛星きしょうえいせい」です。自分の頭の上にずっと静止せいししているように見えるのでこの名前があります。静止せいし気象衛星きしょうえいせいといっても実は静止せいししているわけではなく、地球の自転と同じ速さで1日かかって地球のまわりを一回りしています。地球と一緒いっしょに動いているので地球上にいる人から見ると静止せいししているように見えるのです。この衛星えいせいは地球からおよそ36000キロはなれたところを回っています。国際宇宙こくさいうちゅうステーションは400キロくらいの所をんでいますから、これとくらべるととても遠いところをんでいることが分かります。

こんな遠くから地球を見ると地球全体のおよそ1/4が見えます。それ以外いがいは地球の裏側うらがわになったり、見る角度があさくなってよく見えません。それなら静止せいし気象衛星きしょうえいせいを4つ上げて地球を取りかこめば、地球全体が見えることになります。実際じっさいはつなぎ目をスムーズにするために、いくつかの静止せいし気象衛星きしょうえいせいで地球全体を観察かんさつしています。

世界気象衛星きしょうえいせい観測網かんそくもう(気象庁webページより)

日本の衛星えいせいの名前はみんな知っていますね。そう、「ひまわり」です。

「ひまわり」はニューギニア島の上空に静止せいしして、日本、東アジアや西太平洋の台風、低気圧ていきあつなどを見張みはっています。今、観測かんそくを行っている「ひまわり」は8号で、9号は令和4年からの運用に向けて、8号から少しはなれたところで待機たいきしています。ひまわり1号は昭和52年に打ち上げられました。

みなさんも、インターネットを使えば「ひまわり」の雲写真だけではなく、アメリカなどの衛星えいせいの雲写真も見ることが出来ます。

ひまわり8号と9号

ひまわり8号は平成26年10月7日に打ち上げられ、平成27年7月7日から以前いぜんのひまわり7号に代わって観測かんそくを開始し、赤道からやく36,000キロメートル上空で地球を監視かんししています。また、ひまわり9号は平成28年11月2日に打ち上げられ、平成29年3月に待機たいき運用を開始しました。

ひまわり8号・9号は2合わせて令和10年度までのやく15年間運用を行います。運用期間の前半はひまわり8号が主に観測かんそくを行い、令和4年度に役割やくわりを交代して、運用期間の後半はひまわり9号が主に観測かんそくを行います。

ひまわり8号ではひまわり7号では30分かかっていた、衛星えいせいから見える範囲はんい全体の観測かんそくを10分ごとに行いながら、日本の近くや台風などの特定とくてい領域りょういきを2.5分ごとに観測かんそくすることができるようになりました。

また、白黒であった可視画像かしがぞうがカラーになるなど、以前いぜんにはなかった機能きのうを多くそなえています。

図1 ひまわり8号と9号のイメージ(気象庁提供)