濃尾地震のうびじしん

有史以来ゆうしいらいのわが国最大さいだい内陸型地震ないりくがたじしん陸地りくちで起こった地震じしん

地震じしんのあらまし

明治24年10月28日6時38分、本巣もとす根尾ねお水鳥みどり付近ふきん震央しんおうとするM8.0の地震じしん根尾谷断層ねおだにの活動により生じました。

濃尾地震のうびじしんによる最大さいだい被害地域ひがいちいきは、美濃みの地方であり、死者4,990人、負傷ふしょう者12,783人、住家の全壊ぜんかい50,125戸、半壊はんかい35,085戸、全焼ぜんしょう4,428戸、半焼はんしょう23戸におよびました。

根尾谷断層ねおだにだんそう

根尾谷断層ねおだにだんそうは地表面へあらわれたものだけで、全長80kmにおよびました。

最大さいだいで上下に6メートル、水平に2メートルのずれが生じました。

写真1 当時撮影さつえいされた濃尾地震のうびじしん水鳥みどりにおける根尾谷断層ねおだにだんそう

ゆれの広がり

この地震じしんにより根尾谷断層ねおだにだんそう形成けいせいされました(図2の赤線)。この断層だんそう沿って、大きな被害ひがいが発生しました。

図2 震度しんど分布ぶんぷ(当時のアンケート調査 村松 小見波による)

激震域げきしんいき

図3は、当時発行された「濃尾大震報告」に掲載けいさいされた激震域げきしんいきしめす図です。赤の地域ちいきほどはげしくゆれたことをしめします。

図3 激震域げきしんいき(濃尾大震報告)

地震じしんによる災害さいがい

二次災害さいがいとして、火災かさいが発生し、被害ひがいを大きくしました。

大きな集落では、数か所からいっせいに火がでて、おりからの西または北西の強い風にあおられ、たおれた建物たてものの下じきになっている人の救出きゅうしゅつ活動や、地震じしんによって井戸いどが使えないなかの消火活動はどこも大変たいへん困難こんなんになりました。

住宅じゅうたく焼失しょうしつ岐阜ぎふ市の2,325戸を始め、非常ひじょうに多くなっています。

写真4 地震じしんによる火災かさいきつくされた羽島郡笠松かさまつ
写真5 地震じしんによる火災かさいきつくされた岐阜ぎふ鍛冶屋かじや