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雲ができるまで

ここでは、雲ができるまでのことと雲からふる雨について説明します。

雲のでき方をおぼえる前に、重要なことがあります。それは、みなさんが よく知っている「水(みず)」の変化のことです。


水には、固体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)の3つの状態があります。 このそれぞれの状態から別の状態へ変化するためには、「温度」が重要と なります。

左の図は、それぞれの状態の時に、温度を上げたり下げたり したときの水の変化を示しています。「雲ができる」ということは、 気体の水蒸気が液体の水に変化したり、液体の水が固体の氷に変化することと同じです。
雲のしょうたいは、この「水」そのものなのです。雲は気体の水蒸気をもとに してできた、ちいさな液体の水や固体の氷からできています。


では、どのように雲ができるのでしょうか。


空気には、川や海、地面から蒸発した水蒸気がたくさん含まれています。また、 空気には、水蒸気以外にも、ひじょうに小さなほこりやちりもふくまれています。
この、水蒸気や小さなほこりを含んだ空気を冷やしてやると、先ほどの水の変化と 同じように、水蒸気は、水へ変化し始めます。これは、冷たい水をいれたコップの 周りに水滴がびっしりとつくこととおなじです。



これは、空気の温度によって、含むことができる水蒸気の量が違うことに関係して います。
温度が高い空気はたくさんの水蒸気を含むことができます。逆に、温度が 低い空気は少しの水蒸気しか含むことができません。
このことは、寒い冬の日に はく息(いき)が白く見えることからもよくわかると思います。
人間のはく息には 水蒸気が含まれています。はく息は体温と同じくらいの温度がありますので、たくさんの 水蒸気を含んでいますが、体からでて冬の冷たい空気にふれると水蒸気として 空気中にいられなくなり、細かな水滴となるため、目でみることができるます。


つまり、水蒸気を含んだ空気を冷やしてやれば雲ができるということです。

水蒸気を含んだ空気を冷やすと、ちりなどの空気中のゴミのまわりに、水滴が びっしりとついて、雲粒(くもつぶ)ができます。この雲粒があつまって、 雲ができているのです。雲粒はひじょうに小さな水滴なので、上昇気流で 空に浮かんでいることができます。また、弱い横風で流されることもありますので 雲が動いているように見えます。


では、どうやって、空気を冷やすのでしょうか。

高い山に登ったことがあるとひとは、知っていると思いますが、 夏の暑い日でも高い山に登ると、温度がさがり涼しく感じることがあります。これは、 空の高いところへ行けばいくほど、気温(温度)が下がるためです。この気温の 下がり方は、100mあがるごとに約0.6℃低下します。このため、地上の 気温が30℃のときに1000mの高さの山の頂上は、温度が6℃低下して24℃ しかないことになります。

それは、水蒸気を含んだ空気を 空の高いところに持ち上げてやる必要があります。



空気を空の高いところに持ち上げるには、風の力が必要となります。 みなさんがよく知っている風は、横に吹いている風ですが、地球上には 上や下に向かって吹く風もあります。これをそれぞれ、 上昇気流(じょうしょうきりゅう)、下降気流(かこうきりゅう) と呼んでいます。
この上昇気流で空気を高いところに持ち上げることができるのです。

では、どのようなときに、この上昇気流が発生するかを見てみましょう。

前線(ぜんせん)による上昇気流
寒冷前線(かんれいぜんせん)や温暖前線(おんだんぜんせん)などの 前線(冷たい空気と暖かい空気がぶつかるところ)では、 暖気流(だんきりゅう:暖かい空気)が寒気流(かんきりゅう:冷たい気流)に 押し上げられて上昇気流が発生します。暖かい空気は、たくさんの水蒸気を もっていますので、上昇すると雲を作ります。

みなさんがよく知っている前線では、梅雨前線(ばいうぜんせん)がありますが、 これも、雲がたくさんできることにより、たくさんの雨を降らせます。
低気圧による上昇気流
低気圧の中心付近では、上昇気流があります。この上昇気流により 地上付近の水蒸気をたくさん含んだ空気が上空に持ち上げられて 雲ができます。

低気圧の近くでは、雲が多く、雨などが降りやすいことに なります。また、台風は、低気圧が大きくなったものと同じため たくさんの雲を作ります。
強い日差しによる上昇気流
陸地や山地が太陽の光で加熱されて、地上付近の 空気が上昇することにより、部分的な低気圧が発生します。このようにして 発生した低気圧を熱的低気圧(ねつてきていきあつ:ヒート・ロウ)と 呼びます。この低気圧も上昇気流がありますので、地上付近の 水蒸気をたくさん含んだ空気が上空に持ち上げられて雲を作ります。

夏の晴れた暑い日では、湿度の高い空気(=水蒸気をたくさん含んだ空気) が、強い上昇気流により高く持ち上げられるため、 大きな積乱雲(せきらんうん:かみなり雲)になることがあります。
山による上昇気流
平地で吹いている風が、山などにあたると、その斜面を駆け上がります。 このとき、平地の水蒸気をたくさん含んだ空気を運ぶと、その空気は 上空に持ち上げられ、雲を作ります。

いくつもの山がつらなった、山脈(さんみゃく)や山岳(さんがく)などでは、 気温が低いことと、その複雑な地形により 上昇気流や下降気流がよく発生するため、空気中の水蒸気の量により、雲ができたり なくなったりをひんぱんに繰り返します。このため、「山の天気は変わりやすい」と よく言われます。


次に、こうやって作られた雲がどうやって雨を降らせるかを見てみましょう。

上昇気流がつづき、雲に水蒸気をたくさん含んだ空気がどんどん流れ込むと、 雲粒がどんどんと増えていきます。
また、雲も上昇気流により、より高い空へ 押し上げられます。高い空へ押し上げられると、まわりの温度が低くなるので さらに雲粒が増えていきます。
やがて、雲の中の雲粒どうしが、ぶつかり合って、雲粒よりちょっと大きい 水滴になります。水滴は、さらにほかの雲粒とぶつかりあって、より大きい 水滴になっていきます。 
大きくなった、水滴は上昇気流では浮かんでいられなくなり、下に落ちはじめます。 落ちていく途中でも、ほかの雲粒や、同じようにできた水滴とぶつかりあって より大きな水滴になっていきます。 
この大きくなった水滴が、雲をぬけだし、地上に降ってくるのが雨です。
また、冬などでまわりの温度が低い場合には、水滴がこおって雪となって 降ってきます。

これまで、見てきたように、雲ができるまでと、その雲から雨がふるためには、 空気中の水蒸気の量と温度、上昇気流が重要な働きをしていることがわかります。
また、逆に高気圧(下降気流)や空気中の水蒸気が少ないなどの条件となれば、 雲はできにくく、天気も晴れとなります。


気象庁や気象台の天気予報も、基本的にはこの、
  1. 水蒸気量(地上付近から上空までの)
  2. 温度(地上付近から上空までの)
  3. 風(地上付近から上空までの方向や強さ)
をもとに決めています。
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