いちょうの話

季節きせつれ進みや気候きこう変化へんかをとらえる

いちょうの黄葉おうよう

岐阜ぎふ地方気象台きしょうだいでは、例年れいねん11月下じゅんから12月上じゅん頃に、いちょうの黄葉おうよう観測かんそくします。

いちょうは寒くなると、葉の中にあった緑色をしめすクロロフィル(葉緑素ようりょくそ)が分解ぶんかいされて、かわりにそれまで目立たなかった黄色のカロチノイドという色素しきそが目立つようになります。

これが「黄葉おうよう」です。

カロチノイドはもともと葉の中にあるのですが、いつもはクロロフィルにかくれていて、見えていないのです。

ちなみに「紅葉こうよう」はクロロフィルの分解ぶんかいくわえて、葉の中でアントシアニンという赤い色素しきそが作られることで起こります。

気温がひくくなると、葉とえだの間にしきり(離層りそう)ができ、葉で作られた養分ようぶんえだへ流れずに葉の中にたまっていきます。

すると、さらにアントシアニンがたくさん作られるようになり、葉が赤くなってくるのです。

2003年12月4日 岐阜ぎふ地方気象台きしょうだいから撮影さつえいした「いちょう」の標本木ひょうほんぼく