きりの話

目に見える世界が白っぽくなるきりはどうしてできる?

きりとは

きりは、空気中にふくみきれなくなった水蒸気すいじょうきが、小さな水滴すいてきとなって出てきたものです。

この水滴すいてきが、光を反射はんしゃしたり吸収きゅうしゅうしたり散乱さんらんさせたりするために、視界しかいが白っぽくなってしまうのです。

気象台きしょうだいでは、視程してい(見とおせる距離きょり)が1キロメートル未満みまんの場合を「きり」、それ以上いじょうの場合を「もや」とよんでいます。

きり種類しゅるい

蒸発霧じょうはつぎり

水面から蒸発じょうはつしている水蒸気すいじょうきが、つめたい空気によってやされて発生するきりです。

露天ろてん風呂ふろあつみ物から上がるゆげと同じ原理げんりです。空気のつめたい冬の川に多いので「川霧かわぎり」ともばれます。

図1 あたたかい水面からの水蒸気すいじょうきによって発生するきりのイメージ

移流霧いりゅうぎり

あたたかい空気が流れこんできた時に、つめたい水面や地面によってやされて発生するきり

あたたかい空気が入って来やすい初夏しょかの海に多いきりで、「海霧うみぎり・かいむ」ともよばれています。

図1 あたたかい空気がつめたい水や地面にふれることによって発生するきりのイメージ

滑昇霧かっしょうぎり

水蒸気すいじょうきをふくんだ空気が山の斜面しゃめんにそってのぼっていった時に、上の方でえて発生するきり

山の下から見ると、雲になります。

図1 しめった空気が山の斜面しゃめんをのぼることにより発生するきりのイメージ

放射霧ほうしゃぎり

晴れて風の弱い日の夜から朝にかけて、えこんだ時に発生するきり

山にかこまれた盆地ぼんちに多く見られるきりです。つめたい空気は重いので下へ下がるため、盆地ぼんちではつめたい空気がたまりやすいためです。

図1 つめたい空気が下に集まってできるきりのイメージ