にじの話

梅雨空つゆぞらに気分を晴々としてくれる、めずらしい写真の紹介しょうかい

主虹しゅにじ副虹ふくにじ

大気中では、太陽や月の光と、大気や水蒸気すいじょうき、雨つぶ・雲つぶなどが作用することによって生じる光学現象げんしょう大気光象たいきこうしょう」が起きます。

にじ大気光象たいきこうしょうの一つです。にじは、雨上がりなどに、太陽と反対方向の空中にあらわれる七色のアーチじょうの光のおびです。

にじは、太陽の光が空気中の雨つぶの内部で反射はんしゃして見えているもので、地表付近ふきんから上空にかけてあらわれます。

色は、太陽の光線の成分せいぶんのうち、外がわから内がわに波長の短くなる順番じゅんばんに、
■赤だいだい■黄■緑■青あいむらさき、の七色に見えます。

写真1のように、にじの外がわには、もう一つのにじあらわれることがあります。

これは副虹ふくにじとよばれ、色の順番じゅんばんは内がわにじ主虹しゅにじ)とはぎゃくに、内がわから外がわに赤だいだい黄緑青あいむらさきとなります。

写真1をよ~く見ると、外がわにじ順番じゅんばんぎゃくになっているのが分かります。

また、主虹しゅにじの内がわまたは副虹ふくにじの外がわ過剰虹かじょうにじが見えることがあります。

写真1 主虹しゅにじ副虹ふくにじ

水平弧すいへいこ

写真2は、下呂げろ市で撮影さつえいされためずしい大気光象たいきこうしょう水平弧すいへいこ」です。

光のおびはしが地面ではなく天空の方向にのびており、にじくらべると色の配置はいちも内外さかさまになっているのがわかります。

この光のおび水平弧すいへいことよばれ、上層雲じょうそううんの中の氷の結晶けっしょうによって起こる大気光象たいきこうしょうであると考えられます。

水平弧すいへいこのできるしくみは、上層じょうそうかぶ巻層雲けんそううんの中の大部分だいぶぶんの氷の結晶けっしょう板状いたじょうのもの)がほぼ水平にかび、その側面そくめんから入ってきた太陽光線が氷の中で屈折くっせつして、底面ていめんから出てきた場合にできるものと考えられます。

また、太陽高度がやく58度以上いじょうでないとあらわれないため、度や季節きせつのせいで、私たちが直接ちょくせつ見ることのできるチャンスはめったにない、とてもめずしい現象げんしょうです。

写真2 水平弧すいへいこ

大気光象たいきこうしょうにじ水平弧すいへいこのほかに、かさ、光冠こうかん彩雲さいうんなどがあります。