「市民権」
「なになにが市民権を得た」と言うとき、それは「よく知られている」「名が売れている」という意味になる。しかし、どうして「市民権」なのか。そもそも、ボクたちには「市民権」というものがあるのかどうかも怪しい。辞書にすがろうか。
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しみん-けん 二 【市民権】
(一)〔citizenship〕国民、あるいは市民として
思想・行動・財産の自由が保障され、
また国政に参加する権利。
(二)(アメリカ合衆国などで)国籍。州籍。
「アメリカに移住して―を取る」
(三)(特殊だったものが)広く世に行われて
一般化すること。
「この言葉はもう―を得た」
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なんだか不安になってきた。果たしてボクたちは、(一)の意味でこの言葉を使ったことがあるだろうか。(二)の方が(一)よりもずっとよく知られている。そう、「日本で市民権を得た」なんて、あまり聞かない。それはアメリカの話題のはず。でも、日本にいても(一)はきっとあるのだ。そして、(一)なんて知らないままに、(三)を物知り顔に使っている。
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