「タメグチ」


 「あの子は先生とタメグチで話すんですよ。」と同僚の言葉。同僚にもいろいろあるが、特段若くなくても「タメグチ」は使う言葉だ。若者言葉を嫌うわけではないが、使いたくない言葉の一つにこれがある。ほかには、「ダチ公」とか、……あ、これは若者も使わなくなった言葉か。
 もともと「タメ」というのは、「同学年」をいうものだ。初めて会った人と話がはずんで、互いのことを確かめて、「なんだ、タメだったんかあ」となる。同級生に話すようになれなれしく話すから、タメグチ。
 何か汚いんだなあ、その言葉。きっと、「愚痴」みたいな響きがいけないんだ、と思っていたら、出てくる出てくる……。

 かげ口  憎まれ口  賢しら口(さかしらぐち) 
 告げ口  減らず口  謗り口(そしりぐち)  

 こりゃ、良くない言葉ばかり。イメージが良くないわけだ。「ナントカグチ」というのに、良い言葉はない。ところが、

 ウチナーグチ(沖縄言葉)

 こちらにはホッとする。ハイサイ、ハイサイ。

 

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