「ゴミステーション」
公共職業安定所は「ハローワーク」で、農業協同組合は「JA」 で、カタカナ言葉の進出は激しいが、ゴミ置き場もいよいよ「ステーション」である。日本語の貪欲なパワーを感じるところだ。カタカナ言葉の氾濫は自国の問題として真剣に論議してほしいところだが、こんな便利で粋なものがそうそう廃れるはずがない。数ある言葉の中でも、手軽に意味が分かり、新しい感覚を提供してくれるという点で、カタカナ言葉は抜きんでた力を持っている。
一.「ゴミ捨て場」
二.「ゴミ置き場」
三.「ゴミ集積場」
四.「ゴミステーション」
どれが一番清潔に感じるであろうか。意味合いも少しずつ違うが、それ以外に伝わるものがあることにお気づきだろうか。言葉は意味以外に語感を提供するものなのだ。「公共職業安定所」という言葉に「職業とは不安定なものだ」と感じた人には、「ハローワーク」は明るいイメージが感じ取れて、しっくりくるであろう。「農業協同組合」に物々しい組織感を感じる人や「うちは農家じゃないから」と貯金を銀行に持って行こうとする人には、「JA」は新しいブランドみたいなものだ。
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