「かほり」
「定家かなづかひ」というものがあるようだ。初めて分かったこの事実。そこでは「香り」は「かほり」となるようだ。「いいのか」と思う。
個人の趣味で仮名遣いまで変えていいのか。いつだったか本欄で、「よゐこ」の仮名遣いの間違いを指摘したことがあったが、これはそれとは比べようもない重大事。
まあ、そんなわけで、「かほり」は、鎌倉時代のかなづかいだと言えなくもなかろう。しかし、近代・現代の歴史的かなづかいでは「香り」や「薫り」は「かをり」なのだから、やはりまずいことだ。
国語辞典の「言海」(昭和四年、第十五版)にも「かほり」「かほる」という項があり、それぞれ「かをりノ誤」「かをるノ誤」とある。そのころも間違えて「かほり」とか書いてしまう人がいたのだろう。
現代のボクたちにとって大切なのは、間違いと知っていて使っているかどうかだ。(自分自身、知らなかったクセに)
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