苗木花崗岩
撮影場所 恵那市大井町恵那峡
撮影者 木澤 慶和
苗木花崗岩
 花崗岩は地下でマグマが冷却してできた岩石です。四角く規則正しく割れる性質があります。これを方状節理といいます。まるで四角く切った岩が積み重なっているような様子を見ることができます。
 また、割れ目から風化が進み、角がとれて次第に丸みを帯びてきます。苗木花崗岩は中生代白亜紀末に形成されたと考えられます。
 花崗岩は通称御影(みかげ)石として知られ、石材として利用されます。苗木花崗岩も蛭川村や中津川市などで採掘されています。
 苗木花崗岩は優白色の黒雲母花崗岩で中粒〜細粒、一部粗粒の部分もあります。石英は放射線での影響で黒〜暗灰色になっています。苗木花崗岩にはペグマタイトと呼ばれる大きな鉱物の結晶が集まっている部分が多く含まれています。ペグマタイトからは煙水晶や、正長石、雲母、トパーズ、蛍石、錫石、電気石など様々な鉱物が産出し、全国でも有数のペグマタイト鉱物の産地として知られています。白い鉱物が長石類、透明暗黒色の石英、黒い黒雲母です。
 ペグマタイトはマグマに含まれていた水などの揮発性の成分がマグマの中で空洞をつくり、その中でゆっくりと鉱物が成長してできたものです。そのために鉱物は自由に成長することができ、大きくきれいな結晶となります。こうしてできた晶洞には花崗岩をつくる鉱物の他、さまざまな希元素類を含む鉱物が産出することが知られています。