湯ヶ峰流紋岩

下呂町から見る湯ヶ峰(崖は下呂石や小川石の岩盤)
撮影場所 益田郡下呂町幸田
撮影者   中田 裕一

湯ヶ峰流紋岩の露頭
 湯ヶ峰火山(1,067m)は、益田郡下呂町の温泉街から東方に見えます。約12万年前に活動した単成火山です。その溶岩は、流理構造を持つ流紋岩(またはデイサイト)で、通称、下呂石と小川石があります。両者とも岩石成分は同じです。流紋岩は粘性の高い溶岩から生成し、石英、斜長石、黒雲母を主に含みます。ガラス質になる場合もあります。

下呂石

小川石
 下呂石は、黒褐色で割れ口が刃物のように硬く鋭いことから、縄文時代から弥生時代に石器の材料として使われました。下呂石の石器は愛知県や石川県でも見つかっています。   小川石は、灰色から茶褐色をしていて、板状に割れやすい石です。下呂町付近では庭石や石垣としてよく利用されています。湯ヶ峰の崖のほとんどは小川石です。