ヨーロッパから見ると、イスラム勢力は小アジア半島方面、イベリア半島方面、さらにはシチリア島方面の三方向から迫ってきた。その進撃を防いだのが、ビザンツ帝国とフランク王国の2勢力である。ビザンツ帝国は要塞都市と化した首都コンスタンティノーブルを拠点に幾度と無くイスラム勢力の侵入を阻止した。この都市は1453年にオスマントルコ帝国のメフメト2世の奇策によって陥落するまで数百年に渡りイスラムのヨーロッパ侵入を阻むこととなった。一方フランク王国はトゥール・ポアティエ間の戦いで勝利を収めた後、8世紀後半に登場したカール大帝の下で逆にイベリア半島に向かって反撃に転ずるようになり、後のレコンキスタ(国土回復運動)の原点となった。