紀元前7世紀ごろ、イタリアに定住したラテン人の一派がティベル川のほとりの丘陵地帯に築いた集落が都市国家ローマの始まりであるといわれる。
 当初は先住民であるエルトリア人の王に支配されていたが、紀元前6世紀頃に王を追放して、共和制となった。ローマでは、貴族と平民の身分差があり、貴族から選ばれる任期1年2名のコンスル(執政官)が政治を行った。そして、貴族の会議(元老院)がコンスルを指導し実質的な支配権を握った。また、非常時には独裁官が独裁権を行使するなど独自の政治システムを作り上げた。
 それに対し、重装歩兵として国防に重要な役割を果たすようになった平民は、紀元前5世紀に平民会を、つづいて護民官を設置することを貴族に認めさせた。特に護民官はコンスルや元老院の決定に対して拒否権を持ち、貴族と平民の政治的な権利は同等となった。