前2世紀半ばまでに地中海西部を支配したローマは、紀元前146年にはマケドニアとギリシャの諸ポリスを支配するようになり、地中海全体をほぼ制覇した。
 このころ、ローマでは貧富の差が拡大し、元老院の伝統的支配を守ろうとする閥族派と、無産市民と騎士(裕福な市民)が指示する平民派に分裂して争いが起こった。
 平民派のグラックス兄弟による改革が失敗に終わると、有力な政治家は私兵を多く抱えて互いに暴力で争うようになった。これによりいわゆる「内乱の1世紀」が始まった。
 その間平民派のマリウスと閥族派のスラによる争いや、イタリア半島の同盟都市による反乱、異民族による侵入、剣奴スパルタクスによる大反乱が起きるなど、ローマの混乱は頂点に達した。