ドイツによるバルカン半島進出は、バルカン半島への勢力拡大を目指すソ連との関係を緊張させた。ソ連はドイツとの戦争に備えて日ソ中立条約を結んだ。1941年6月ドイツは不可侵条約を無視して、ソ連を奇襲し、独ソ戦が始まった。ドイツの電撃戦は再び成功し、年末にはモスクワに迫ったが、ソ連軍は大きな損害を出しながらもドイツ軍を押し返した。これをきっかけにソ連はイギリスと同盟を結び、アメリカなどとの協調を深めた。
 一方、日本は日中戦争の長期化で国力が消耗し、状況を打開するために南方への進出を企てた。1940年にはフランスの敗北に乗じて、フランス領北部インドシナに軍を派遣し、41年にはフランス領インドシナ南部にも軍を進めた。
 これに対し、反ファシズム諸国支援の姿勢をとるアメリカ合衆国は、日本の南方進出を牽制するために日本への石油供給を停止するとともに、イギリス・中国・オランダとともに日本への対抗措置をとった。
 こうした中で日本とアメリカ合衆国による交渉が行きづまると、日本はアメリカ合衆国に対する戦争を決意し、1941年12月8日航空母艦による奇襲攻撃によって、ハワイ真珠湾にある米海軍基地の米海軍に大きな損害を与えるとともに、マレー半島に軍を上陸させて、アメリカ・イギリスに宣戦を布告した。これにより、太平洋戦争が始まった。
 太平洋戦争の勃発により、ドイツ・イタリアもアメリカ合衆国に宣戦し、第二次世界大戦は世界的な規模の戦争となった。