【瞬発力を高める】
瞬発力を高めるトレーニング
 スポーツには、瞬間的に強い力を発揮し、すばやく運動する能力を必要とすることが多くあります。
このような能力を瞬発力と呼んでいます。とくに、短距離走、跳躍競技、投てき競技などでは、よ い記録が出せるかどうかは、瞬発力の発揮能力に大きくかかわっています。
 瞬発力のトレーニングでは、意識を集中して1回1回の動作をできるだけ速く瞬発的におこないます。 全力でのジャンプやスタートダッシュあるいはメディシンボールを使った運動などは、瞬発力を高めるために有効なトレーニング方法です。
 また、筋力を高めるためのアイソメトリックトレーニングやアイソトニックトレーニングも、
すばやい瞬発力を高めるトレーニングとしての性格をもたせることができます。バーベルやダンベルを使用する場合は、
15〜60回反復可能な負荷重量(最大筋力の約60%以下に相当)でおこないます。
そのような負荷を用いて15〜20回の全力でのすばやい反復を1セットとし、十分な休息を間に入れて1日に数セットくり返す。
 瞬発力にふくまれる力と速度の要素は、スポーツの種類によって異なる。
たとえば、卓球やバドミントンでは力より速度の要素が、砲丸投げや重量挙げでは速度より力の要素が重要になる。 したがって、競技力を高めるために瞬発力のトレーニングを実施するのであれば、どのような力と速度の発揮条件で運動が実施されているのかを考えて、
それらに類似した負荷条件でトレーニングをおこなうとよい。
 また、瞬発力のトレーニングでは、動作の開始時にひじょうに大きな抵抗が筋肉や腱(けん)にかかる。 そのため、ジャンプ動作やウエイトを用いた瞬発力のトレーニングでは、より安全で効果的におこなうために、 動作のコントロールが十分可能な運動条件からはじめ、しだいに運動負荷を高めていくことがたいせつです。
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・5〜10m程度の助走をつけ、スピードをのせる。
・膝をしっかり上げ大きなジャンプをリズムよく繰り返す。
・腕を前後に大きく振る。
・背筋は運動中できるだけ伸ばしたままにする。
・運動距離は能力に応じて設定する。(20〜50m程度)

強化される主な筋肉
  大腿四頭筋・縫工筋・内転筋

・砂場を使い5歩で入れる距離を設定する。
・立ち幅跳びを行うように両足ジャンプから始める。
・膝をしっかり上げ、大きなジャンプをリズムよく繰り返す。
・腕を前後に大きく振る。
・背筋は運動中できるだけ伸ばしたままにする。
・5回目のジャンプは両足で着地する。

強化される主な筋肉
  大腿四頭筋・縫工筋・内転筋

・砂場を使い5歩で入れる距離を設定する。
・立ち幅跳びを行うように両足ジャンプから始める。
・片足でジャンプを行う。その時に踏切る足を大きく回しながら行う。
・背筋は運動中できるだけ伸ばしたままにする。
・5回目のジャンプは両足で着地する。

強化される主な筋肉
 
大腿四頭筋・縫工筋・内転筋

・砂場を使い5歩で入れる距離を設定する。
・立ち幅跳びを行うように両足ジャンプから始める。
・両足でジャンプし、両足で着地する。これを5回繰り返す。
・両腕を円を描くよう大きく振る。
・背筋は運動中できるだけ伸ばしたままにする。

強化される主な筋肉
 
大腿四頭筋・縫工筋・内転筋

・ハードルを5台から10台ならべ、両足でジャンプして跳び越える。
・着地後、ハードル間でステップを入れて次のハードルを跳び越える。
・両腕を大きく振る。
・背筋は運動中できるだけ伸ばしたままにする。
 
強化される主な筋肉
 
大腿四頭筋・縫工筋・内転筋

・ハードルを5台から10台ならべ、両足でジャンプして跳び越える。
・着地後、ハードル間でステップを入れず、落下スピードを次のジャンプにつなげる。
・両腕を大きく振る。
・背筋は運動中できるだけ伸ばしたままにする。

強化される主な筋肉
 
大腿四頭筋・縫工筋・内転筋

 前方からのアンダースロー
・両手でメディシンボールをしっかり保持する。
・両足は肩幅より少し広く取り、メディシンボールを振り子のように前後に振って勢いをつける。
・背筋はできるだけ伸ばしたままにする。
・タイミングを取り、一気に下から上に向かって放り投げる。
・腕の筋肉にたよらず背筋と膝を使って投げるよう心がける。
 

強化される主な筋肉
  僧帽筋・脊柱起立筋群・大腿四頭筋・縫工筋・内転筋等

 前方からのオーバースロー
・メディシンボールを頭上後方に保持する。
・体を少し後傾させ、片足立ちになりバランスをとる。
・浮いている片足前方に大きく踏み出し一気に頭上から前方に向かって放り投げる。

強化される主な筋肉
  大胸筋・小胸筋・菱刑筋等

 後方からのオーバーヘッドスロー
・投げる方向に対し背を向けて立ち、両手でメディシンボールをしっかり保持する。
・両足は肩幅より少し広く取り、メディシンボールを振り子のように前後に振って勢いをつける。
・背筋はできるだけ伸ばしたままにする。
・タイミングを取り、一気に下から上に向かい頭上を通るように背面に放り投げる。
・腕の筋肉にたよらず背筋と膝を使って投げるよう心がける。

強化される主な筋肉
 
僧帽筋・脊柱起立筋群・大腿四頭筋・縫工筋・内転筋等

 側方投げ
・投げる方向に対し横向きに立ち、両手でメディシンボールをしっかり保持する。
・両足は肩幅より少し広く取り、メディシンボールを体の捻転を 使い左右に振って勢いをつける。
・背筋はできるだけ伸ばしたままにする。
・タイミングを取り、一気に後方から前方に向かい横から放り投げる。
・腕の筋肉にたよらず体の捻転と膝を使って投げるよう心がける。

強化される主な筋肉
  内腹斜筋・外腹斜筋・広背筋等

 プライオメトリックトレーニング
・跳び箱等の台を2台準備する。筋力に応じ高さや間隔を設定する。
・台の上に立ち地面に落下する。その落下スピードを次のジャンプにつなげ、台から台へ跳び移る。
・両腕を大きく振る。
 
強化される主な筋肉
  大腿四頭筋・縫工筋・内転筋