山地を出た長良川は岐阜市雄総から濃尾平野を流れます。濃尾平野の表面は上流から,緩やかな傾斜をもった扇状地、自然堤防帯そして三角州の3つに分けられます。
岐阜市南部から海津町にかけて広く分布する自然堤防帯は、大昔の川が氾濫を繰り返すことによってできた地形です。
扇状地より下流の勾配のゆるやかな土地では,川はゆったり蛇行して流れます。ここでは洪水のたびに水が流路から溢れ出して平野の表面を覆います。この時水で運ばれた土砂が流路のへりや周辺に堆積します。これが繰り替えされると流路にそって1〜3メートルの細長い高まり,つまり自然堤防が発達します。自然堤防の外側の浅い窪地になっている部分「後背低地」には泥だけが薄くつもり一般に排水状態が悪く低湿で沼地や時には泥炭地になっています。
このような自然堤防帯では,本川の河床が高くなり後背湿地を流れる支流は本川にすぐ合流できず下流まで並走して流れて合流しています。
人がこの平野に住み着くようになると,小高くなっている自然堤防には集落ができ,土地の低い後背湿地は水田などに利用されるようになりました。
自然堤防を利用して作った高台には家が多く見られますが,治水が進んだ現在,後背低地は土地利用が進み住宅や工場が建ち並び,地表で自然堤防と後背低地を区別することは難しくなっています。
このような濃尾平野の自然堤防帯は海津町北部からより平らで低い三角州へと移っていきます。
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