長良川最大の支流板取川の上流には,花こう岩で形成された美しい渓谷「川浦渓谷」があります。
左門岳に端を発した板取川が流れ下る,ここ関市板取杉原地区の約5キロメートルが,川浦渓谷と呼ばれ,幅数10メートル,深さ30メートルの回廊状の峡谷を作り,澄みきった水と,周りの木々とがあいまって見事な景観を展開しています。
川浦渓谷が形成されるきっかけは,白亜紀末期に美濃地方で起きた大きな火山活動でした。この活動によって板取一帯に奥美濃酸性岩体と呼ばれる地層ができ,川浦花こう岩がその活動の最後に形成されたのです。
中でも,川浦渓谷一帯は地盤の隆起量の大きい場所でした。それに加え,花こう岩の節理に沿って侵食が起きているので,同じ板取の高賀川に見られる高賀花こう岩など,隆起量の小さい谷より際立って峡谷の特徴が表れています。
そびえたつ峡谷は,四季を通じて見事な景観をつくり出します。ここはまさに,板取ならではの神秘的な秘境です。
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