村間が池は長良川の源流に近い白鳥町にある周囲が400メートルの池です。海抜730メートルにあるこの池は山頂コールと考えられる火口に水がたまり,流入路と流出路がないため,四季を通じて水の増減が少なく,一年を通じて12センチメートルほどしか水位が変化しません。
池の深さは最深部で4メートルですが,枯れた水生植物や,池周辺の木々からの落ち葉が池に沈み泥炭層となって,その色が池の水面の色を作り出しています。池の東側の水際で泥炭層の深さを計ったところ180センチメートルもあり,池の歴史を物語っています。
郡上郡誌によると,この池に大蛇がすんでいると言い伝えがあり,鎌や石などを投げてはいないという伝説があるほど神秘的な池で,池にはヒツジグサ,コウホネ,郡上郡内に今はほとんどみられなくなったジュンサイなどの植物がみられます。
また,残念なことに誰かがコイを放流したのか,ずいぶんみられたゲンゴロウがめっきり少なくなりました。
トンボの生息地としてもこの池は有名で,アオイトトンボ,ルリイトトンボ,ミヤマアカネ,オオアオイトトンボなどの姿が確認されています。モリアオガエルなどの両生類,ヘビなどのハ虫類の多く生息するこの池は長良川流域で自然のままに残されている数少ない池の一つといえます。
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