長良川の下流に広がる輪中地帯には古くから入江や堀が多かったため,内水漁業が広く営まれていました。魚の種類はフナ,コイ,ナマズ,ウナギ,ドジョウ,マス,アユなどで多くは自家消費用として輪中地帯の重要な栄養源となっていましたが,フナとコイは漁獲量が多く近畿地方にも出荷しており,昭和20年(1945)にはフナが321トン,コイが118トンもとれていました。
 しかし,戦後進められた土地改良事業は内水面を埋立て,魚類の生息場所を奪ったため,輪中地帯特有の漁業は徐々に衰退していきました。
 輪中内部での内水面漁業はほとんど消滅し,今では河川での漁業が中心となっていますが,近年,背割堤の木曽川筋にシジミが多く生息するようになり,シジミ漁が盛んに行われ,シーズン中には,シジミを積んだ小型漁船が船頭平閘門のわきで水揚げしたり,一般市民がレクリエーションとしてシジミ採りをしている姿を見ることができます。

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