美濃橋は,美濃市上有知と前野を結ぶことを目的に美濃市の長良川に架けられた長さ114メートル幅3メートルの吊り橋です。大正5年(1916年)に架けられたこの吊り橋は,赤い欄干と白い主塔を持ち,清流長良川の川面にその姿を映す風景は絵画のように美しく,訪れた人の心に残ります。
この地は美濃和紙の原料を運ぶ交通の要衝であり,長良川を渡る前野渡しや岡田式渡船交通に代わる人車通行用の橋として建設されたこの橋は,当時の最新技術で造られ,現存する近代吊り橋としては国内最古の吊り橋で,建造当時その長さ,美しさは日本一と言われ,観光名所になっていたといわれています。
美濃市の中心市街地に位置し街から見て小倉山の裏に架けられているこの橋のすぐ下流にはかつての川湊「上有知湊」跡があり,木製の灯台が残り,一帯は川湊公園として整備され,歴史を感じながら散策を楽しむことが出来ます。
木板張り赤塗り欄干を鋼鉄ケーブル線ワイヤーで吊ったこの橋は,地元の人々が日々利用する現役の橋であると同時に,この地域の交通が舟運から鉄道や自動車の時代に変わっていった歴史を今に残す貴重な産業遺産・文化遺産でのあるのです。
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