岐阜市内を流れる長良川の両岸には洪水から市街地を守るための堤防が築かれています。
 これが特殊堤(パラペット)と呼ばれるものです。
 岐阜市内の長良川に架かる橋はこの堤防をまたぐように作られていますが,長良橋だけは低いため,道路と堤防が交差するところの路面の高さが堤防より約4.3m低くなっています。
 昭和34年の伊勢湾台風や昭和36年夏の洪水時には,そこから岐阜市内に洪水が流れ込み市内が水浸しになりました。
 そこで,洪水時に門を閉めて市街地に洪水が流れ込まないようにすることを目的に昭和37年に全国的に珍しい陸閘が長良橋の両岸に作られました。
 それぞれの陸閘の操作は地元の水防団によって行われます。そのため毎年6月に陸閘の点検をかねて,陸閘を締め切る訓練が行われます。
 これらの陸閘以外にも長良橋付近の堤防には数多くの陸閘が作られ,洪水時には締め切られ市街地を洪水から守っています。
 これらの陸閘と同じ役割を果たす施設が金華山トンネルの東口にある水門です。この水門はトンネルの中に設置され,洪水時に締め切ることで金華山から長良橋までの堤防が締め切られることになります。
 このように市街地を洪水から守る工夫は普段あまり目に付かない所でも実施されているのです。

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