「オイサッ,オイサッ」のかけ声と共に,桜色の美濃和紙で飾られた30余基の花みこしが市内を練りまわる美濃祭りは,うだつの町に春を告げるまつりです。うだつの町並みを練りまわる花みこしの姿は,まるで乱舞する美しい桜の花のようです。
 毎年4月の第二土曜と日曜に行われる美濃祭りは明治時代までは「上有知まつり」といわれた八幡神社の祭礼で,山車や練り物などの神事をはじめ「流しにわか」「花みこし」など様々な行事が行われます。
 美濃まつりを彩る花みこしは,江戸時代の雨乞い行事のひとつとして町内ごとにいろいろなものを作り,若衆たちが担ぎ踊った「町騒ぎ」にそのルーツを求めることができます。現在のように「しない」と呼ばれる紙の花をみこしの屋根につけるようになったのは昭和の初めからと言われます。
 美濃祭りで忘れてはならない行事が「美濃流しにわか」とよばれる即興の風刺劇です。3〜5人の役者が登場して,ユーモアたっぷりに時代を風刺した物語を展開し,最後に「落ち」がつくという寸劇です。江戸時代から続く伝統芸能で年に一度,美濃祭りの夜にだけ町の辻々で演じられるにわかを町の人々は夜の更けるのも忘れて心ゆくまで楽しみます。

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