鵜匠の古風な服装は,頭に風折烏帽子,筒袖の漁服と胸当て,そして,腰蓑と足半(あしなか)と呼ばれる草鞋で構成される。この内,腰蓑と草鞋は,鵜匠が自ら作るもので,手間と暇がかかる割には,ひと夏ともたない消耗品である。こうした腰蓑や草鞋は,鵜匠だけのものではなく,かつては長良川の川漁師が,広く使っていたもので,長良川の漁業従事者の伝統的な服装でもあった。そして今なお,こうした伝統的な服装が鵜匠の間で使われているのは,その服装が,鵜飼の作業に即したものであることと,古の伝統を今に伝えようとする鵜匠の粋な計らいでもある。 |