2.フィボナッチ数列と黄金比の関係


数学の世界では大変有名な,フィボナッチ数列という数の並びがあります。ここではこの数列について紹介します。

まずその数列を見て下さい。



この数列はどんな規則で並んでいるか,分かりますか。

この数列の規則は,前の2つの項の和が次の項の値になっています。この数列を始めて本格的に研究した人は,レオナルド・ピサノという 数学者(13世紀頃)ですが,彼のお父さんがボナッチという名だったので,その息子と言う意味のフィボナッチと呼ばれるようになりました(ファザー・コンプレックス だったのでしょうか)。

彼はウサギのつがいについて,「ウサギのつがいは,生まれてから2か月経つと雌雄一対の子どもを産むという。このとき,一つがいのウサギは どのように増えていくか」という問題で,この数列を研究しました。

ここではその問題を分かり易くするために,細胞分裂で言い換えてみましょう。つまり,「ひとつの子どもの細胞は1時間経つと親の細胞になり分裂可能となる。その 親細胞は,親細胞と子細胞に分裂する。この様に分裂を繰り返すと,細胞の数はどのように増えるか」という問題を考えてみましょう。 細胞の増殖の様子を1時間ごとに見ていくと,次の様になります。



細胞の数がフィボナッチ数列の数になっていくことが分かりましたか。

さて,このフィボナッチ数列と黄金比とは,どんな関係があるのでしょうか。これらはまったく似てもにつかない様に見えますが,2つの間には隠された関係があります。 それは,フィボナッチ数列の隣同士の数の比をとるとその比が次第に黄金比に近づいていく,という性質です。 つまり,フィボナッチ数列の隣同士の数の比は,黄金比の近似的な値が並んでいる,ということです。




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