3.「デタラメ」を作る


「デタラメ」という言葉は、悪いあるいは消極的な響きがするかもしれませんが、実は大変有用な概念です。
数学ではデタラメな(規則性なく生起する)数字を「乱数」といい、これは数学のみならず様々な科学の分野に応用されています。
実際、自然現象や社会現象などにおいて、各事象(起こるそれぞれの出来事)が、 などの場合、「乱数」を使ってその事象をコンピュータ上で起こし、模擬実験(シミュレーション)したりして、現象の解析を行っています。


さて次に、乱数の例として「0から9までの数字をデタラメに並べた乱数」を、実際に作って見ましょう。(出現確率が均一にすなわち一様に、1/10であるような乱数を、「一様乱数」といいます。)
どんな方法が考えられますか。
例えば、

などが思い浮かぶでしょう。
大量の乱数を自動的に生成することにおいては、コンピュータの得意とするところです。ただし、コンピュータは気まぐれで動くのではなく、プログラムで動きますから、「乱数を生成する規則」が必要となります。「規則性なく生起する乱数を生成する規則」だなんて、なんだか話がややこしくなってきましたね。

コンピュータで乱数を生成する方法はいくつかあり、その中で最もよく使われるのが「線形合同法」と呼ばれる方法です。実はこの方法による乱数は、いずれ同じ数字が現れて繰り返されていきます。つまり周期を持っています。この周期は変更できるので、できる限り大きな周期となるような工夫をすればよく、実用上は大きな問題が起こりませんが、本質的な解決はできません。そのほかの方法でも同様の課題があります。このような乱数は「一様疑似乱数」と呼ばれ、数学的な「一様乱数」とは区別されています。

言い換えると、これほどまでに 「デタラメに数字を並べること(乱数を生成すること)は難しい」 ということです。

コンピュータのソフトウェアには、「一様疑似乱数」を自動的に発生する仕組みが予め組み込まれているものがあります。それを利用すれば、必要なときに簡単に乱数を利用することができます。ただし多くの場合、

0=<疑似乱数<1

の範囲の数値として発生しますので、それぞれの場面で利用に合わせた工夫が必要です。

このような背景を噛みしめながら、次のコンピュータが生成する「一様疑似乱数発生装置」で遊んでみてください。

一様疑似乱数発生装置


メニューに戻る