このような混乱は、人間の感覚の中で、既に起こった出来事とこれから起ころうとしている出来事を明確に区別して捉えていないことや、それらの出来事を表現する言葉の言い回しの不明確さに起因しています。
確かに、「1111」のように1が4回続けて出る確率は1/1296なので珍しいことであり、さらに、「11111」のように5回続くことは1/7776とさらに小さくなります。これらの確率は、さいことを5回振るとき、「11111」〜「66666」までのあらゆる出方に中で、「1111」と「11111」の出る確率のことです。すなわち、これらの出来事が全体の中でどの程度珍しいかの度合いを示したものです。
しかし、この《混乱@》の場合は、既に「1111」という珍しい出来事が起こった後で、次に「1」が出る度合い(確率)を議論しているのであり、それは1/6である、ということになります。全体の中での議論ではなく、「1111」が出た後で、さらに次に「1」が出る確率を議論しているわけです。
このように、議論している状況を明確にしないと混乱が生じます。
さて、これに似た混乱として、次の議論はどのように解決しますか。
心配性の乗客が飛行機に爆弾を持ち込もうとしたところ、乗務員にとがめられた。
【その時の問答】
|