貞治誕生(ていじたんじょう)

1875年(ねん)（明治(めいじ)８）(とし)４月(がつ)２１日(にち)、岐阜県大野郡数屋村(ぎふけんおおのぐんかずやむら)（現在(げんざい)の本巣郡糸貫町数屋(もとすぐんいとぬきちょうかずや)）に生(う)まれた。父(ちち)は光蔵(みつぞう)、母(はは)はつね。つねの兄勘助(あにかんすけ)の養子(ようし)となった。

幼年時代(ようねんじだい)のエピソード

４，５歳(さい)ごろ、実母(じつぼ)につれられて時折(ときおり)お寺参(てらまい)りをしたが、聞(き)いてきたお説教(せっきょう)をこたつのやぐらの上(うえ)に座(すわ)って、そっくりそのまま聞(き)かせたとか、親鸞聖人(しんらんしょうにん)の御伝鈔(おでんしょう)などを大部分暗唱(だいぶぶんあんしょう)しておとなたちをびっくりさせた。


５歳(さい)の時(とき)の書(しょ)

一色小学校時代(いしきしょうがっこうじだい)のエピソード

厳格(げんかく)な養父勘助(ようふかんすけ)は、貞治(ていじ)の成績(せいせき)が２番(ばん)になると、重(おも)い机(つくえ)を背負(せお)わせて家(いえ)の外(そと)に立(た)たせました。成績(せいせき)はとびきり優秀(ゆうしゅう)だったので、１年生(ねんせい)から３年生(ねんせい)、３年生(ねんせい)から５年生(ねんせい)というように「とび級(きゅう)」をし、当時普通(とうじふつう)は８年(ねん)かかるところを４年(ねん)で終(お)わりました。

第三高等中学校(だいさんこうとうちゅうがっこう)（京都(きょうと)）時代(じだい)のエピソード

1841（明治(めいじ)24）年(とし)１０月(がつ)２８日(にち)に大(おお)きな地震(じしん)が岐阜県西濃地方(ぎふけんせいのうちほう)を襲(おそ)った。新聞(しんぶん)でそのことを知(し)った貞治(ていじ)は、親(おや)の安否(あんぴ)を気(き)にして、家(いえ)までもどった。米原(まいばら)から汽車(きしゃ)が不通(ふつう)だったので、歩(ある)き続(つづ)けて数屋(かずや)へ帰(かえ)ってきた。

しかし、養父勘助(ようふかんすけ)は、「お前(まえ)には学問(がくもん)という大切(たいせつ)な仕事(しごと)があるはずだ。学問(がくもん)をしないで家(いえ)のことなど心配(しんぱい)する必要(ひつよう)はない。すぐ京都(きょうと)へ帰(かえ)れ。」としかって家(いえ)に入(い)れようとせず、追(お)い返(かえ)してしまった。後年(こうねん)、父(ちち)のおかげで、自分(じぶん)は大成(たいせい)できたと語(かた)ったそうである。


１６歳(さい)の頃(ころ)

 

参照文献(さんしょうぶんけん)　

「世界数学界(せかいすうがくかい)　世紀(せいき)の金字塔(きんじとう)　高木貞治先生(たかぎていじせんせい)」高木貞治博士顕彰会編集(たかぎていじはかせけんしょうかいへんしゅう)　H5 　　　　　
「高木貞治博士物語(たかぎていじはかせものがたり)」高木貞治博士顕彰会編集(たかぎていじはかせけんしょうかいへんしゅう)　H13

協力(きょうりょく)　　　

糸貫町(いとぬきちょう)
高木貞治博士顕彰会(たかぎていじはかせけんしょうかい)、糸貫数学校研究会(いとぬきすうがっこうけんきゅうかい)