なぜ今「知」のデジタルアーカイブスか?

 高度情報化社会と言われ、この世には情報があふれてますが、意外に知らないのが自分の生まれ育った地域のことです。地域にある様々な事物をデジタルアーカイブスしてみることにより、これまでに気付かなかった様々なものが、素材を通して見えてくるようになります。素材化という方法を通して、地域と私たちとの新たな関係がそこに生まれ、時空を共にした一瞬が記録されます。そこに記録されたものが何なのか、なぜそれを捉えたのか、といったことは、記録した時よりも素材化後、再び素材に向き合う時に気付いてくることが意外に多いものです。場合によっては、何10年も経過した後、古い素材に接した時に、以前には気付かなかったことに気付き、素材化していたことの有り難さを感じることもあります。

 地域の資料をデジタルアーカイブスすることは、50年後や100年後には貴重な資料となるはずです。地域素材は、それが多くの人の間で共有できるようになると、知ることの楽しみは個人的な楽しみの域を越えて、地域全体の文化形成、地域文化の未来永劫にわたる承継というさらに意義深い社会的共有の財産となる可能性を秘めています。

 このCD−ROMは、このような願いを込めて「雪国のくらし」をテーマに、地域素材をデジタルアーカイブスしたものです。様々な学習活動において御活用いただければ幸いです。

平成13年3月吉日
 
岐阜県生涯学習センター所長



取材協力者

◇戻る◇