住の部屋

 昭和20年代以前の、この村のような山村の家屋といえば、現代のように、ガス・水道・電気などは、まだまだ普及していませんでした。

 当時、食物の調理や暖房には、薪(まき)や炭などを使用し、明かりの燃料は、灯油・種油・松根(あかし:松の根のこと)などでした。水は、川から汲んできて、瓶に入れて溜めておきました。

 写真は、上から昔の台所・ボンボリ・ランプ・猫いずみです。
 昔の台所は、食物の煮炊きをしたり、そこで食事をしたり、また家族のだんらんの場所でもあり、夜なべの仕事の場所でもありました。

 その台所の中心にある囲炉裏の役目は、灯火・暖房・食物の煮炊きなど様々な用途に使われました。

 ボンボリ、明治以前に夜間の照明として使われ、どこの家でも工夫をこらした自家製のものが多かったようです。これは、据えて置いたり、提げて物を探したり、便所や屋外の小屋へ行くのには最適でした。
 ランプは、明治以後、学校や製糸工場で使われ始め、その後一般家庭にも普及しました。

 猫いずみは、その名の通り猫のために作られた寝床です。昔この地方でも蚕の飼育は盛んで、その蚕を狙ってネズミも多くいました。そのネズミを捕らえる為に、猫が飼われていたわけです。猫いずみは、その猫のために飼い主が、心を込めて作ったものです。