気圧きあつ

小学校では習わないけど、大切な観測かんそく

気圧きあつとは

空気は、空気の中にあるものをつねにおしています。

空気の圧力あつりょくのことを「気圧きあつ」といいます。

そもそも圧力あつりょくって何?

ものをすとき、ものに当たっている部分の面積めんせきに対する力の大きさのわりあいを、「圧力あつりょく」といいます。

同じ台の上に、重いおもり(20キログラム)と軽いおもり(10キログラム)をおいて、地面におくと、重さによってめりこみの大きさがちがいます(図1)。

重いおもりと軽いおもりでは、重いほうがより大きな力を地面にあたえるため、台は大きく地面にめりこみます。

あたえる力が大きいとき「圧力あつりょくが高い」といい、力が小さいとき、「圧力あつりょくひくい」といいます。

図1 おもりの重さと地面にめりこみやすさのちがい

同じ重さのおもりでも、地面に当たる部分の面積めんせきがちがう台の上におくと、めりこみの大きさが変わります(図2)。

同じ重さでも、地面に当たっている面積めんせきが大きい台よりも、面積めんせきが小さいほうが、大きくめりこみます。

面積めんせきが小さいとき「圧力あつりょくが高い」といい、面積めんせきが大きいとき「圧力あつりょくひくい」といいます。

図2 地面にあたる面積めんせきの大きさと地面にめりこみやすさのちがい

空気から受ける圧力あつりょくとは

気圧きあつとは、空気から受ける圧力あつりょくのことでしたね。

空気の圧力あつりょくとはどんなものでしょうか。ビニールぶくろにいきをふきこんでふくらますことを考えてみましょう(図3)。

ふくらます前は、ペチャンコです。ちょっといきを入れると、すぐにふくらんできます。

図3 ビニールぶくろにいきを入れてふくらますイメージ

ふくろに空気がたくさん入り、中の気圧きあつが外より高くなります。圧力あつりょくの高い空気が、ビニールぶくろを中から外へ向かっておします(図4)。

このとき空気は、どの方向にも同じ力でふくろをおしているので、ふくろはまるくなります。

図4 ふくらんだビニールぶくろの中の様子

ふくろの口をとじないでおくと、すぐにしぼんでしまいます(図5)。

ふくろの中の空気が、外ににげ出すからです。

気圧きあつの高い空気とひくい空気の間にさえぎるものがないと、空気は気圧きあつの高い方からひくい方に向かってすすむのです。

空気をふくろにふきこみすぎるとそのうち、大きな音を立てて、ふくろがはれつします。

ふくろの中の空気がおした力に、ふくろがたえきれなくなって、やぶれてしまうからです。

図5 ふくろがしぼむときの様子

気圧きあつ圧力あつりょく)の単位たんい

圧力あつりょくの定義

圧力あつりょくは、「力の大きさ÷力のかかる部分の面積めんせきの大きさ」で表します。

力の大きさは、中学校で習う[Nニュートン]という単位たんいで表されます。

面積めんせき単位たんい2平方メートルですから、圧力あつりょく単位たんいN/m2ニュートン毎平方メートルです。

圧力あつりょくは、[Paパスカル]という単位たんいで表すこともあります。1Paは1N/m2と同じです。

圧力あつりょくと重さの関係かんけいをイメージしてみましょう。1m2の板の上に1kgのおもりを乗せたときの板が地面をおすときの圧力あつりょくやく9.8Paです。

気圧きあつ単位たんい

気圧きあつ単位たんいもPaで表しますが、気圧きあつは「100倍」を表す「ヘクト」をPaの頭に付けて、hPaヘクトパスカルと表すことが多いです。

1hPaは100Pa、つまり1m2の板の上にやく10kgのおもりを乗せた(100÷9.8)のと同じ圧力あつりょくです。

気圧きあつとは

地球上の空気の気圧きあつ平均へいきんすると、やく1013hPaであるといわれています。これは「1気圧きあつ」とよばれる気圧きあつです。

圧力あつりょくと重さとの関係かんけいを考えると、地球上の空気は、やく1万kg(1013×10)ものおもりを1m2の板の上にいたときと同じ圧力あつりょくを、地上の全ての物体にあたえていることになります。

もちろん、私たちの体も、同じ圧力あつりょくを空気から受けているのです。

気圧きあつ単位たんいはいろいろある

気圧きあつを表す単位たんいがほかにもあります。

mbミリバール
1991年まで日本で広く使われていた単位たんい
1mb=1hPa
mmHg水銀柱ミリメートルtorrトル
戦前や外国などで使われていた単位たんい
1mmHg=1torr
760mmHg=1013hPa(1気圧きあつ)すなわち、1mmHg=1.33hPa