湿しつ

小学校では習わないけど、大切な観測

湿しつ度とは

空気の湿しめりぐあいのことを、「湿しつ」とびます。

湿度しつどが高いと、せんたく物がかわきにくかったり、ジメッとしたいやな感じがします。

バイキンの活動が活発になり、食中毒しょくちゅうどくなどが発生しやすくなります。

あせをかいてもなかなかかわかず、体がベトベトします。

ぎゃくに湿度しつどひくいと、せんたく物はかわきやすく、カラッとしたさわやかな感じがします。

湿度しつどひくいと、火事が発生したときにえ広がりやすく、危険きけんです。

体に静電気せいでんきがたまりやすくなるので、金属きんぞくのものにさわると、パチッと音を立てて放電ほうでんし、いたい思いをします。

湿度しつどは、ある気温の空気にふくむことのできる水蒸気量すいじょうきりょう飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょう)に対する、実際じっさいに空気にふくまれている水蒸気量すいじょうきりょう割合わりあいで表します。

飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょうとは

ある温度で、それ以上いじょう空気中に水蒸気すいじょうきをふくむことが出来なくなった状態じょうたいを「飽和ほうわ」といいます。

例えば、めきったふろ場では、それ以上いじょう空気に水蒸気すいじょうきをふくむことが出来なくなって、飽和状態ほうわじょうたいとなっています。

この水蒸気すいじょうきは水のつぶとなって空気中をただよっています。つぶは目に見え、湯気となってふろ場に立ちこめています。

空気が、どれだけの水蒸気すいじょうきをふくむことができるかは、温度によって決まっています(表1)。

1m3中にふくむことができる水蒸気量すいじょうきりょう(g)を「飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょう」といいます。

表1のように、気温がひくいと飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょうは小さくなります。

表1 気温とその気温に対する飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょう
気温(℃) 0 10 20 30 40
飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょう(g) 4.9 9.4 17.3 30.4 51.2

湿度しつどの求め方

湿度しつどは、飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょうに対する、実際じっさいの空気にふくまれている水蒸気量すいじょうきりょう割合わりあいであることから、下記の式で表されます。

湿度しつど%)={(空気1m3中の水蒸気量すいじょうきりょう)÷(そのときの温度における飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょう)}× 100

たとえば、気温が30℃の空気中に、15.2gの水蒸気すいじょうきがふくまれていた場合、湿度しつどは(15.2÷30.4)×100=50[%]となります。

この空気を20℃までゆっくりやせば、湿度しつどは(15.2÷17.3)×100=87[%]となります。

では、この空気を10℃までゆっくりやした場合、どうなるでしょうか。

飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょうは9.4gですから、空気はそれ以上いじょう水蒸気すいじょうきをふくむことができなくなります。

あまった水蒸気すいじょうき5.8gは、水のつぶとなって空気中にただよったり、まわりの物に「つゆ」として付いたりします。

このとき、湿度しつどは(9.4÷9.4)×100=100[%]となります。

湿度しつど変化へんか

1.1日を通しての変化へんか

湿度しつどは、ふつう、昼間にひくく、夜に高くなります。

空気中の水蒸気量すいじょうきりょうは、ふつう、1日の間に大きく変わることはあまりありません。

日中は大きい飽和水蒸気量ほうわすいじょうきりょうも、気温が下がる夜には、小さくなります。

よって、上で見たように、同じ水蒸気量すいじょうきりょうでも、気温のひくい夜のほうが、湿度しつどは高くなるのです。

2.1年を通しての変化へんか

湿度しつどは、日本の太平洋がわ地域ちいきでは夏に高く、冬にひくくなります。

これは、水蒸気量すいじょうきりょうが夏よりも冬のほうが少ないからです。

夏は南の海上からあたたかく湿しめった空気が流れこむため、水蒸気量すいじょうきりょうが大きくなります。

ぎゃくに日本海がわ地域ちいきの中には、夏よりも冬のほうが湿度しつどが高くなるところがあります。

冬は、つめたいシベリアからの空気が日本海の上を通り、湿しめった空気となって日本海がわに流れこみます。

日本の山岳地帯さんがくちたいにこの空気がぶつかり、日本海がわでは大雪となります。

山岳地帯さんがくちたいをこえて太平洋がわに流れこむ空気は、とてもかわいた空気となります。