雨・降水量（こうすいりょう）

雲ができて、雨が降（ふ）るまでの、くわしい説明（せつめい）は、お天気教室＞雲の種類＞雲ができるまでのページを参考（さんこう）にして下さい。

では、雲を作る、水蒸気（すいじょうき）はどこから来るのでしょう。

地球には、海、川、湖、などなど様々な水がありますよね。このように、目に見える水のあるところには、実は、目には見えない水蒸気（すいじょうき）もあります。例（たと）えば、洗（せん）たく物はぬれていても、時間がたつと、かわきますよね。これは、洗（せん）たく物の中の水が、水蒸気（すいじょうき）になって（「蒸発（じょうはつ）」と言います）外へ行ってしまったからです。

地球上でも、同じように、海や川、地面の水分などが、たえず蒸発（じょうはつ）しています。こうしてできた水蒸気（すいじょうき）は、雲を作り、雨を降（ふ）らせて、また海や川にもどってきます。

これが、何度もくりかえされているんです。雨は、地球をぐるぐる回っている水の一部ということですね。

お天気教室＞お天気アニメもみてください。

雨が降（ふ）るには、まず雲が必要（ひつよう）です。

雲は、上昇気流（じょうしょうきりゅう）によって、空気中の水蒸気（すいじょうき）は水や氷になることによってできます。

この雲の中で、水てきが大きくなり、空にとどまっていられなくなると、雨になって、降（ふ）ってくるのです。つまり、空気がしめっていて、上昇気流（じょうしょうきりゅう）を発生させる低気圧（ていきあつ）のあるときには、雨が降（ふ）りやすくなります。

くわしくは、お天気教室＞雲の種類＞雲ができるまでをごらんください。

気象庁ホームページの雨の強さと降り方をごらんください。

大雨とは、災害（さいがい）が発生するおそれのある雨をさします。岐阜県内の注意報（ちゅういほう）・警報（けいほう）の発表基準（きじゅん）は、お天気情報＞警報・注意報を見てみよう＞e-予報官からのアドバイスをみてみましょう。

注意報（ちゅういほう）や警報（けいほう）の基準（きじゅん）のところに書いてある 「1時間雨量（うりょう）」は、1時間で降（ふ）った雨の量（りょう）、 「3時間雨量（うりょう）」なら、3時間で降（ふ）った雨の量（りょう）となります。

「総雨量（そううりょう）」は降（ふ）り始めからの雨量（うりょう）を全部合わせた雨量（うりょう）です。

上空には、氷や水のつぶが浮（う）いて雲になりますが、冬や、夏でも、雲の中身は氷のつぶであることが多いです。

夏は、氷のつぶが落ちてくる間にとけてしまい、雨に変（か）わって降（ふ）ってきます。

冬は、地面につくまでの間の気温がひくいので、場合によってはとけずに氷のまま降（ふ）ってくることがあります。

これが、雪やあられです。

雪が雨に変（か）わらずに降（ふ）ってくるかどうかは上空の気温や地面付近（ふきん）の気温、しつ度によって決まります。

上空１５００ｍ付近（ふきん）の気温がマイナス３度以下（いか）だと雪で降（ふ）ってくることが多いです（必ず雪で降（ふ）るとは限（かぎ）りません）。

最（もっと）も影響（えいきょう）を受けるのは気温です。

当然（とうぜん）のように気温が低（ひく）い方が雪にはなりやすいです。

ただし、気温だけでなく湿（しつ）度にも影響（えいきょう）を受けます。たとえば気温が３℃で湿（しつ）度が５０％ならたいていは雪になりますが、同じ３℃でも湿（しつ）度が１００％ならほとんど雨になってしまいます。

気温が０℃以上（いじょう）で湿（しつ）度が高い場合は、みぞれとして、雨・雪がまざった状態（じょうたい）で降（ふ）ることもあります。

さらに上空の気温も影響（えいきょう）することがあります。たとえ地上の気温が低（ひく）くても、上空に０℃以上（いじょう）の暖（あたた）かい空気の層（そう）がある場合は、雨や凍雨（とうう）（いったん融（と）けた雪が途中（とちゅう）でふたたび凍（こお）る）、着氷（ちゃくひょう）雨（０℃以下（いか）の凍（こお）っていない水滴（すいてき）が地上まで落ちて凍（こお）りつく）になることがあります。

まず、夏は気温が高いので、空気中に含（ふく）むことのできる水蒸気（すいじょうき）の量（りょう）が多くなります。空気中の水の絶対量（ぜったいりょう）が多いわけですから、水蒸気（すいじょうき）が水滴（すいてき）となり、雨となって降（ふ）る量（りょう）も多くなるのです。

ただ、これだけでは砂漠（さばく）で雨が少（すく）ない説明（せつめい）ができませんよね。じつは日本のあたりではこれとは別（べつ）の理由でも雨が多くなります。

それは海の影響（えいきょう）です。日本のあたりでは夏になると、太平洋や東シナ海といった海からの風が入りやすくなり、これらの風は湿（しめ）っているので、より雨を降（ふ）らせやすい条件（じょうけん）を整（ととの）えるのです。

夕立（ゆうだち）は、夏の午後にふる雨のことです。夕立（ゆうだち）の仕組みは、夏の強い日差（ひざ）しで地面付近（ふきん）の湿（しめ）った空気が暖（あたた）められ、上昇（じょうしょう）することによって発生する積乱雲（せきらんうん）などから降（ふ）ります。積乱雲（せきらんうん）は「入道雲（にゅうどうぐも）」とか「かみなり雲」とよばれるもので、長くても数時間ぐらいで消えてしまいます。

このため夕立（ゆうだち）の雨の特徴（とくちょう）として、ザーっと強く降（ふ）ってやんでしまうものが多くなります。また、積乱雲（せきらんうん）は、雲の厚（あつ）さは厚（あつ）いのですが、面積（めんせき）はせまいので雨の降（ふ）る場所と降（ふ）らない場所がはっきりとわかれていることが多いです。

夕方に降（ふ）ることが多いのは、気温や湿（しつ）度が午後に高くなるためです。

にわか雨、とくに夕立（ゆうだち）は、一時的な雨の代表選手（だいひょうせんしゅ）ですよね。

夕立（ゆうだち）の雲は、昼間の強い日射（にっしゃ）で暖（あたた）まった空気が、すごい勢（いきお）いで上昇（じょうしょう）することによって作られます。このような時は、雲の中に雨のもととなる水滴（すいてき）ができても、上昇流（じょうしょうりゅう）があるのでなかなか下へ落ちないで、大きくなっていきます。

そして、水滴（すいてき）がどんどん大きくなってきて、上昇流（じょうしょうりゅう）で支（ささ）えられなくなると、いっきに雨となって降（ふ）ってきます。 大粒（つぶ）の強い雨は、まわりの空気も一緒（いっしょ）に下にひっぱり、今度は下降気流（かこうきりゅう）が生まれます。すると、雲の方へ雨のもととなる水蒸気（すいじょうき）が運ばれにくくなるので、短（みじか）い時間で、雨は降（ふ）り終わってしまうのです。

雨が降（ふ）ったときの雲の様子は複雑（ふくざつ）でいろいろあります。ここでは、「積雲（せきうん）」が１時間程度（ていど）の寿命（じゅみょう）をもっていると仮定（かてい）して説明（せつめい）します。

雲は小さな水滴（すいてき）が上昇流（じょうしょうりゅう）（上に向かってふく風）によりういているものです。また、上昇流（じょうしょうりゅう）により地表付近（ふきん）の水蒸気（すいじょうき）を多く含（ふく）んだ空気をすいこむため小さな水滴（すいてき）が新たに発生して水滴（すいてき）の密（みつ）度が上がったり、雲が大きくなっていくことがあります。

この雲の中では、小さな水滴（すいてき）がふえたことと、上昇流（じょうしょうりゅう）などの風により小さな水滴（すいてき）同士（どうし）がぶつかってひとつになり、少（すく）しづつ水滴（すいてき）が大きくなっていきます。ある程度（ていど）、大きくなった水滴（すいてき）は、上昇流（じょうしょうりゅう）ではうかんでいられなくなり、雨となって落下し始めます。落下中も、雲の中の小さな水滴（すいてき）とぶつかって、大きくなりますので雲の下のほうにいくほど、雨の粒（つぶ）は大きくなります。

この雨が落下するときに周（まわ）りの空気を下に引っ張（ぱ）るので、下降流（かこうりゅう）（下に向かってふく風）が発生します。

この下降流（かこうりゅう）により、雲の中へ上空のかわいた空気が入ってくるため小さな水滴（すいてき）が蒸発（じょうはつ）することになります。そうすると新たな水滴（すいてき）はできなくなり、小さな水滴（すいてき）がなくなれば、雲は消えてしまいます。

雲の種類（しゅるい）によって雨が降（ふ）りやすいものはあります。

雨が降（ふ）りやすい雲の種類（しゅるい）は、乱層雲（らんそううん）、高層雲（こうそううん）、積乱雲（せきらんうん）、積雲（せきうん）、層雲（そううん）があります。

これら雲の種類（しゅるい）については、雲の種類（しゅるい）を知ろうで写真（しゃしん）を見ることが出来ます。

また、雲と気温と湿（しつ）度を調べることは、大変（たいへん）よいことです。夏休み中の気温と湿（しつ）度をグラフにして天気や雲の種類（しゅるい）を書いてみると、天気が周期的（しゅうきてき）に変化（へんか）することや、９月に向けて気温が下がっていく様子がよくわかると思います。

ふつうの雨は、つぶの大きさが直径（ちょっけい）２ｍｍほどで、落ちるスピードは、時速２５ｋｍ（秒（びょう）速７ｍ）ほどです。

夏の入道雲（にゅうどうぐも）から降（ふ）る大つぶの雨（直径（ちょっけい）５ｍｍほど）は、スピードは時速３６ｋｍ（秒（びょう）速１０ｍ）になります。

ちなみに、かみなり雲からときどき降（ふ）る「ひょう」（大きな氷のつぶ、直径（ちょっけい）５ｃｍほどの場合）のスピードは、なんと時速１１９ｋｍ（秒（びょう）速３３ｍ）にもなります。

もし頭にあたったら・・・大変（たいへん）なことになってしまいます。

雨粒（つぶ）は、雲から落ちてくる間に、まわりの水蒸気（すいじょうき）をくっつけたり、ほかの雨粒（つぶ）とくっついたりしています。

日や場所によって大気のしめりぐあいがちがうので、雨粒（つぶ）が水蒸気（すいじょうき）やほかの雨粒（つぶ）にぶつかる量（りょう）もちがいます。

だから、大きさも変（か）わってくるのです。

かさは、主（おも）に巻層雲（けんそううん）という種類（しゅるい）の雲がある時に見られます。

この巻層雲（けんそううん）は、天気を悪くする低気圧（ていきあつ）や前線などが近づいて来る前にできることが多いため、昔（むかし）から「かさをかぶると雨」と言われてきたようです。

お天気教室＞雲の種類のページから雲の写真（しゃしん）を見られます。

きつねのよめいり（天気雨）は、太陽が照（て）っているのにふる雨のことです。

太陽は、雲にかくれていなければ、いつでも私たちをてらしてくれます。だから、たとえ雨雲があって雨がふっていても、そのすきまから太陽が顔をのぞかせていれば、天気雨になるのです。

また、天気雨がふったすぐ後は、虹（にじ）が出やすいので、見つけるチャンスですよ。

降水確率（こうすいかくりつ）とは、予報（よほう）する地域（ちいき）の中で、決められた時間内に１ミリ以上（いじょう）の雨（または雪）の降（ふ）る確率（かくりつ）の平均値（へいきんち）のことです。

そして、たとえば「美濃（みの）地方の６時から１２時までの降水確率（こうすいかくりつ）３０％」というのは、美濃（みの）地方のどの場所でも、この予報（よほう）を１００回出したうちの３０回は、１ミリ以上（いじょう）の雨が降（ふ）るだろう、という意味（いみ）です。

降水確率（こうすいかくりつ）は、５０％以上（いじょう）になると、天気予報（よほう）で雨マークが入ります。

ただ、「曇（くも）り、ところにより一時雨」などの、場所によっては降（ふ）りますよ、という予報（よほう）では、確率（かくのつ）が４０％以下（いか）の数字で出ることがあります。

年間降水量（こうすいりょう）は、文字通り、毎日の降水量（こうすいりょう）を足していったものです。

これを３０年間の平均（へいきん）で表したものが、「平年の」年間降水量（こうすいりょう）です。

また、気象庁（きしょうちょう）では、平均（へいきん）降水量（こうすいりょう）という値（あたい）は発表していません。年間降水量（こうすいりょう）を３６５日で割（わ）ったとしても、降水量（こうすいりょう）は季節（きせつ）によってばらつきがあるので、あまりその数字で表す意味（いみ）がありません。

全般（ぜんぱん）に見渡（みわた）せば、山沿（ぞ）いの方が海岸よりも雨は多いようです。

ただ盆地（ぼんち）は少（すく）ないです。気温は１日の変化（へんか）は山（内陸（ないりく））のほうが大きくなる傾向（けいこう）がありますが、平均的（へいきんてき）に見れば標高（ひょうこう）に支配（しはい）されるため特記（とっき）するようなことはありません。

人間にかぎらず、地球上すべての生き物にとって、「雨」と「水」はとても大切（たいせつ）なものです。

かわせさんのおっしゃるとおり、人にとって雨は、田んぼや畑に育つイネや野菜（やさい）などの作物に水を与（あた）えてくれる「農業用水（のうぎょうようすい）」として、とても大切（たいせつ）な役割（やくわり）を持っています。

そのほかに、みなさんが飲（の）む飲（の）み水や、洗（せん）たくやおフロに使われる「生活用水」、製鉄（せいてつ）工場やパルプ工場などに使われる「工業用水」など、雨のもたらす恵（めぐ）みはさまざまなところで大切（たいせつ）な役割（やくわり）を持っています。

しかし、雨が多すぎると、やはりかわせさんのおっしゃるとおり、洪水（こうずい）などが起き、時には人の命をうばってしまうような大きな災害（さいがい）に結（むす）びついてしまうこともあります。

また、作物が育つには、水のほかに適度（てきど）な太陽の光が必要（ひつよう）なことも知ってると思います。

雨が多いということは、雲が太陽をかくしてしまうことがおおく、作物に太陽の光がじゅうぶんとどかず、育ちが悪くなったり、作物の病気が発生しやすくなってしまいます。

そのほか、みなさんの身近なところでは、じめじめとして、洗（せん）たく物がかわきにくくなったり、食べ物にカビがつきやすくなって、食中毒（しょくちゅうどく）も発生しやすくなります。

雨は多すぎても困（こま）りますが、少（すく）なすぎても困（こま）るのです。

やっぱりこれからも、適度（てきど）に雨が降（ふ）ってくれて、みんなにとって快適（かいてき）に過（す）ごせるような気候（きこう）が続（つづ）くといいですね。