3. 自然界におけるフラクタル図形


さて次に,自然界の中にあるフラクタル図形の例として,「草」を描いてみましょう。1本の枝が適当なところから分岐をし,その分岐枝が さらに同様な分岐をし,その分岐枝がさらに分岐をする・・・。このような仕組みで図を描くと ,日常よく見かける樹木や草木と大変類似した図形が得られます。




フラクタル構造は,自然界を理解するひとつの考え方です。自然界は数学的です(?)から,このような 考え方を用いて,見えないものが見えてくるかもしれません。

このことをもう少し正確に言うと,フラクタル構造がもともと自然界に在るというよりも,自然界の摩訶不思議な構造をモデル化して,フラクタル構造という単純な見方や表現で理解しようとしている,ということです。
ここに「数学は現象を理解し記述する言葉である」という数学の本質的なスタンスが見えてきます。 数学は現象を観る窓のようなものです。そしてその窓を通して,自然界にはフラクタル構造に類似した「何かの法則」が 在る,と考えているわけです。それが数学のロマンでもあります。


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