4.音色について
今までは音の高さについて見ていきましたが,ここでは音の音色について見ていきましょう。
音には同じ高さであっても,人の声,ピアノ,ヴァイオリン,トランペット,クラリネット,打楽器など,様々な音色があります。
音色の違いは,数学的にいうと何が違うのでしょうか。それはいろいろな高さの音の混じり具合が違うのです。色彩においては,絵の具を
混ぜ合わせて様々な色を作るのと似ています。例えば,ドの音がsinxだとしますと,それを主として,sin2x,sin3x,
sin4x,sin5x,・・・など,sinkx(kは自然数でなくてもよい)が様々に混じり合って,独特な音色が出来上がります。
まず一番単純なy=sin(x)(ドの高さに調整してあります)を聞いてみましょう。
これにsin(2x)が少し混ざると
のような音色になります。さらにsin(3x)が混ざると
のような音色になります。この規則に従ってどんどん混ぜていくと
のような音色になりました。最初のsin(x)に比べると,かなり歪んだ音色になりましたね。
では次のような波形の音はどんな音色がするでしょうか。これらは数学的にある規則で混ぜ合わせたのものです。
実際の楽器の音色は,いろいろな高さの音がもっと複雑に混ざりあっています。楽器の音色がどのような混ざり方をしているかを
分析したり,あるいは人工的に音色を作ったりする装置が,シンセサイザーです。
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