文化財施設の公開及び整備事業
 市内外の見学者が各務原市の文化財に親しめるよう、文化財施設の整備や説明を行っています。炉畑遺跡・旧桜井家と次の3つの文化財施設につきましては、現地説明を行っておりますので、現地説明を希望される団体は、当館までご連絡下さい。

大牧一号古墳(市指定史跡)(指定 昭和59年6月26日)
 大牧一号古墳が造られたのは、今から約1400年前の6世紀末から7世紀初頭のことと考えられます。
 各務原台地の南、木曽川を望む大牧台地に造られた円墳(あるいは小規模な前方部を持つ前方後円墳)です。直径が約30メートルで南向きに横穴式石室を造り、内部には美濃地域最大の組み合わせ式家形石棺(長さ2.4メートル、幅1.2メートル、高さ1.2メートル)を納めています。
 かつてこの大牧台地一帯には約80基の古墳が群集していました。しかし、現在では、この大牧一号古墳の周辺や、西方約300メートルに位置する前方後円墳のふな塚古墳が残るのみです。
 大牧一号古墳は、昭和57年に発掘調査が行われ、石室内から多量の馬具や武器・武具類が出土しました。しかし、残念ながらすでに盗掘を受けていたため、家形石棺の内部には副葬品はほとんどみられませんでした。それでも出土した副葬の品々は美濃でも類例の少ない貴重な資料です。
 これらの出土物は、各務原市中央図書館3階の埋蔵文化財調査センターで展示しています。

各務の舞台(村国座)(国有形民俗文化財)(指定 昭和49年11月19日)
 各務の舞台は、村国神社の境内にあり、幕末の慶応二年(1866)、当時の各務村の庄屋長縄八左衛門によって建設が計画されましたが、彼の死と明治維新の動乱により中止となりました。しかし、明治に入り、次第に建設の機運が盛り上がり、明治6年(1873)に着工され、同10年に完成したといわれます。
▲舞台中央を円く切った回り舞台
 建物は、桟瓦葺・重曹・切妻・妻入で内部は舞台とともに客席まで屋内に有する劇場形式の舞台です。現在客席は板張りとなっていますが、かつては土間であったといい、舞台の前面に戸板を立てていました。
 全体の間口は16.36メートル、奥行き22.27メートル、舞台の間口は10.9メートル、奥行き10.0メートルです。
 舞台の主な機構としては、回り舞台・太夫座・花道・セリ・スッポン・ブドウ棚などがあり、舞台の地下は楽屋を兼ねた奈落となって、花道の下を鳥屋まで続いています。回り舞台は盆の直径7.54メートルで回転方式は芯棒が回転せず「盆」と呼ばれる部分だけが回転する皿廻し式です。

天狗谷遺跡(市指定史跡)(指定 平成3年5月24日)
 各務原市の北部丘陵地には焼き物の窯跡が多く分布しています。
 現在の「須衛」という地名も、鎌倉時代の記録には「陶器所」と表されていて、この地が古くから焼き物の産地であったことがうかがわれます。
 天狗谷遺跡は昭和59年から同60年にかけて発掘調査され、窯跡二基と古墳一基が保存されています。窯跡は、奈良時代(8世紀)の須恵器窯跡と平安時代後期(11世紀)の灰釉陶器の窯跡で、古墳は古墳時代終末(7世紀末)につくられた小規模な円墳です。


<文化財施設の説明>
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