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積雪期の山仕事
 現在では、機械化が進み、材木を冬に切り出すことはなくなったが、かつては、2月上旬から4月上旬にかけて行われた。人力による木材運搬作業は、「ソリ」が利用できる積雪期が有効であった。しかしながら、厳しい寒さと深い雪のなかの作業は決して楽なものではなかった。また、雪崩などの危険も多かった。
 材木の伐採の開始は、大安吉日などを選び、山の神に祈りを捧げて行われた。これを「山始め」という。山始めの儀は、伐採予定区域内で“暴れ木”“窓木”と呼ばれる神宿り木を選び御神酒や五平餅を供えて行われた。祈りを捧げた神宿り木は、伐採されずに残された。
 伐採の準備にあたっては、作業しやすい足場の確保が必要となる。積雪によって、斜面でも効率よく足場を確保することが可能であった。足場の雪除けには「バンバ」、柴払いには「ナタ」「テオノ」が使用された。
 伐採には、「マサカリ」「ガンド」などが使用された。伐採の直前には「マサカリ」の背で、木の幹を軽くたたき、木に宿る霊を神宿り木に移す祈りを捧げた。
 「マサカリ」で一方に切り口を入れ、反対方向から「ガンド」で切り、造材作業のしやすい安全な方向へと切り倒す。
 切り倒された木は、長さ12尺5寸(約378.5p)に切りそろえられた。これには、「フラリビキノコ」が使用された。木材を動かすためには、「トビ」「ガンタ」「チンチョウ」などが使用され、運搬には「ソリ」が用いられた。

ソリ

マサカリ

ガンド

ナタ

テオノ

フタリビキノコ

ガンタ

チンチョウ

トビ