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子どもの雪遊び
 大人にとっては、苦労が多く耐えねばならない冬であったが、子ども達にとっては、雪遊びができる楽しい冬でもあった。
 子どもの遊具として、雪の上を滑る「タケスキー」「コウゾスキー」、雪氷の上を滑る「パンパコ」」タケゾウリ」などがあった。また、除雪用具でもある「バンバ」にも小型の遊び用のものがみられる。
 「タケスキー」と「コウゾスキー」は、竹や楮殻(こうぞがら:コウゾは紙の原料となる木。紙になる皮の部分を剥いだもの。)を束ねて作ったスキー。先端を軽く曲げ、スキー板の形状を真似たもの。ストックは用いず、スキーの先端に1本づつヒモをつけ、これを手にもって斜面を滑った。止まる場合は、ヒモを強く引っ張って止まった。
 「パンパコ」と「タケゾウリ」は、竹製のスケート。「パンパコ」は、竹の半割りしたもにに鼻緒をつけたもの。「タケゾウリ」は、ワラジの底に半割りした竹を付けたもの。凍った雪の上をスケートのように滑って遊んだ。
 また、特別な専用遊具を使用しない遊びも多く行われた。ひとつに“とびらこ”という遊びがある。雪源などに深さ50p程度の穴を堀り、その上にホエ(小枝・柴木)などをかぶせ、雪でおおう。そこへ友達などを誘い、ストンと落ちるの見て楽しんだイタズラ遊びであった。
 このほか、“すべらこ”といって、雪で小山を作り、水をかけて凍らせ、その上を思い思いのもので滑って遊んだ。このような“とびらこ”・“すべらこ”・雪だるま・かまくら・雪合戦の砦などをつくるのに子ども用の「バンバ」が活躍した。

ケスキー

コウゾスキー

パンパコ

タケゾウリ