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冬の狩猟
 現在では、スーパーなどに牛肉や豚肉が多く出まわり、動物性タンパク質を摂取することが容易となったが、かつては、狩猟によって動物を手に入れた。狩猟は、雪のある冬期に行われ、クマ・ウサギ・ヤマドリなどが主な獲物であった。
 クマ狩りは、3月頃に5〜6人で行い、冬眠中のところを仕留めた。「シシヤリ」や鉄砲を用い、「ハサミ」と呼ばれる罠を仕掛けることもあった。
 昔は、クマを射止めると胸を断ち割って、“太刀”と呼ばれる内蔵(すい臓?)を取出し、枝に供えた。のちに舌を切り取ってり枝に供えるよになった。ともに、山神様に対して、感謝と狩猟の安全を祈願する意味があった。
 射止められたクマは、皮・肉・胆のうの3つに解体される。皮は、なめして敷物や防寒具の材料とされ、肉はもちろん食用となった。胆のうは、薬として売り、現金収入を得た。
 ヤマドリの狩猟は、1月頃に行われ、追手4〜5人と遠見の者数人で行なった。“やまどりぼい”と呼ばれ、ヤマドリをおどかし、追い込んで捕獲した。
 ウサギ狩りは、2月頃に行われた。1人で行なう場合と複数で行なう場合があった。複数で行なう場合は、3人くらいの追手と鉄砲をもった4〜5人のチームで行なわれた。この場合山の下手からウサギを上へと追い、上から待ち構えた猟師が鉄砲を使って仕留めた。
 「ハサミ」などの罠を仕掛けて捕ったり、「シュウタン」と呼ばれるワラ製の円盤を用いる変わった狩猟法も行われた。この「シュウタン」は、ウサギの頭上に投げて使用された。風を切る音が、タカの羽ばたく音に似ており、怯えて身をぎそめるところを捕獲した。

シシヤリ

ハサミ

シュウタン

アミブクロ(獲物を入れる袋)