例年5月のゴールデンウィークの一月、竹鼻の八剣神社の拝殿前は、人垣で一杯になります。 竹鼻祭の時、神社に曳かれて来る各町内の山車とその奉芸をひと目見ようとするためです。
現在、竹鼻には県の重要有形民俗文化財の指定を受けた13輌の山車があります。 そのうち祭当日、半数の山車が曳き出され、年々午前中、神社で奉芸をすませ、そのあと町内を曳き回されます。
祭当日、町内には車会所が作られ、奉芸を終わった山車は、その前に停め、山車の係の人々が休憩をします。 祭のクライマックスは、午後の初めに行なわれる「山車の曳揃い」です。
当日、交通止めされた道路には、赤いジュータンが敷かれ、その年の祭で曳かれた山車が全部集まり、一台づつ芸をかけていくのです。
芸には、からくり人形の舞いや芸、そして子供の舞踊、ぬいぐるみの踊りなどがあり、観衆はその芸に見とれ、終わると一斉に大きな拍手をおくります。
「曳き揃い」が終わった山車は、その後、町内をゆっくり巡回します。 山車の見どころは、芸とそして、幕・山車のつくりです。 豪華な刺繍が施された大幕、水引き幕、見送り幕は大変立派であり、織物の町らしさが出ています。
一方、山車のつくりも彫刻がほどこされて、手がこんでいます。 午後9〜10時になると山車は、各町の山車蔵に曳き入れられ、次の竹鼻祭の曳き出しまで蔵の中で静かに眠ります。
この竹鼻の山車も明治24年(1891)の濃尾震災では、大きな被害を受けました。 山車が全焼したり、幕がいためつけられたりしたからです。
でも人々の熱意でまたよみがえり、150年前の作といわれる山車が今も祭で曳かれることになりました。
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