●円空●

 円空は、生涯に12万体の作仏を悲願し、日本各地に独特の作風を持つ円空佛を残し、諸国行脚の旅を一生涯続けました。 その円空は、寛永9年(1632)、ここ羽島市の上中町中の観音堂の近くで出生したと言われています。
 円空の作品は、複雑多岐多称で力強く、個性的なもので、現在社会にも生きる世界的な大芸術とまで言われるに至りました。
 作佛の多くは、丸太を四半分にたち割って、三角になった断面の鋭角の稜線を正中線として造像してあり、実に巧妙な方法であるといわねばなりません。 正面に向かって拝む立前から、背面には何等の手を入れない手法も独特のものです。
 円空仏は、岐阜・愛知・三重・滋賀・長野・群馬・青森・秋田・栃木・静岡・神奈川・東京・福島・埼玉・千葉・富山の各県と北海道各地で多数発見され、「12万体の造像」を祈願した円空の強い思いが伝わってきます。
 当市内にも、中観音堂に17体、長間の薬師寺に9体、その他の社寺、民家に6体ありますが、まだまだ未発見のものが多いものと思われます。
 一度、家族でゆったりと円空仏の是非真近に寄って、「厳しさと暖かさ」を一人一人が感じとりたいものです。

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