●施設の概要
岐阜県の西端・揖斐川源流〜越美山地のブナ帯〜で織りなされた人々と自然とのかかわりを、『モノ』−生活資料−から紹介しています。
この原日本の緑の豊かさを背景にしてきた文化がもつ迫力を、じっくりみていただき、山村の秘める魅力に、−今−、眼覚めて下さり、先人たちの再評価とともに顕彰し続けることを念頭とするものです。
●施設
1984年7月開館、敷地面積は15,826uで池に沿った回遊式庭園をもとに、復原民家5棟、付属家屋2棟を配置させてあります。
●展示
民家の第2、3、5の計3棟をあて、それぞれの土間と居住部分の一画を使用しています。
第2棟
主要な産業を主題とし、段木(ダンボク)(薪〜川流し)、畳一枚分の床板(トチノキ材の木挽き)などの他、ウシメ(人力犂(スキ))など独自の道具をおきました。
第3棟
宝暦年間の銘をもつ庄屋の家では、衣・食・住をとり上げています。 衣部門〜西限の分布を示す特殊なネヤ・・・ベッド?
食部門〜国内唯一の超デザイン・・・マナイタ(溝つき)
樹皮で作った・・・セイロのルーツ
シコクビエ、エゴマ・・・聞き慣れない〜グルメ〜
住部門〜他館にはない〜スコップ状のユキカキ
その他、油絞りの道具も並べました。
第5棟
ブナ帯ならではの〜ハイテク〜の代表
草からキモノを作る・・・オバアチャンの技
木からカゴを作る・・・オジイチャンの技
それに、紙すき(小判)と炭焼きの技術の解説も加えています。
各棟には、ムツカシイ〜クイズがいっぱいあり、資料館の師匠であるオジイチャン、オバアチャンの働く姿、第3棟では、全国的にも注目されている三拍子の子守唄、『もりの憂(ウ)いのは』を聞くこともできます。
園内には、タノシイ〜動植物のいい伝え、小さな畑では、古い在来穀物のタネツギなど、草葺き屋根の民家とあわせ、かっての山村風景のいくらかでも味わえるよう配慮しています。
●指針
このブナ帯の中で育まれた伝承は、先人たちの〜自然科学〜でもあり、その深い読みは無限です。 当館では、それらの技法の記録を第一の目標にし、でき得る限り、その再現にとり組むことを基本的な指針としています。
●活動
この指針に添い、イベント、連休期、夏休み中の日曜日などには、
”草木はともだち”昔の子供の遊び
”作って食べる”昔もグルメ
”カラムシってなーに”草から糸を作る
”弥生機(バタ)を使って、カラムシを織る”
などの体験学習を開催してきました。
展示面では、常設部門以外に、ケースを利用しての、コザラ、チャワン、桶職、菓子職用具などのミニ展、その他、雪のはきもの、ちょっと昔のフトンジマ、テマリ展なども企画しました。
特別展は会場を藤橋城とし、徳山の四季展、小林法泉(そだ火・川柳誌創刊者・現在500余号)色紙展、郵便局展、ふるさとの戦いの跡展、なつかしの学校展、県下サエノカミ双体像写真展を開催、現在は、本に描かれた〜カッパチャンたちと題して、蒐集してきたカッパの本を三階で展示しているところです。
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