オリオン座
サソリが苦手

 1等星が2つ、2等星が5つ、明るい星をたくさんしたがえ、形の整った星座のオリオン。この星座を、古代の多くの民族が巨人の姿に見立てました。星座絵では、左手にライオンの毛皮を持ち、こん棒を持った右手を大きくふり上げた猟師として描かれています。2つの1等星、ベテルギウスとリゲル。それぞれ「巨人のわきの下」と「巨人の左足」の意味があります。
 ある神話によると、オリオンが他の生き物たちよりずっと高い地位をいつも望んでいたので、神々はオリオンのうぬぼれをこらしめるために、一匹のサソリを放ちました。このさそりにオリオンは刺され、かれは命を落としてしまいました。このため、オリオンは天に上げられて星座になった後もサソリを恐れ、さそり座が西の地平線にしずむと東から姿を見せ、東の空からさそり座が見えてくると西の空に引っこんでしまうのだといいます。これは、冬の星座であるオリオン座と夏の星座であるさそり座の空の上での動きをよくとらえた話で、古代人の観察力に感心します。

星の色
星の色のひみつ

 1等星2つをよく見るとべテルギウスは赤っぽく、リゲルは白く少し青味がかって光っているのが分かります。星には、青白く見えるものから黄色やオレンジ色、そして赤みをおびて見えるものまで、さまざまな色のものがあります。星の色のちがい、これは実は星の表面の温度のちがいを表わしています。


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