ふたご座
兄弟星

 2つの明るい星、ポルックスとカストルがふたごのそれぞれの頭の位置で輝いています。ポルックスは1.1等で1等星の仲間なのに対し、カストルは1.6等で分類上2等星に入ります。兄の方が明るい星をもっているかと思えばその逆で、暗い方の星、カストルが兄の名前です。これは、ギリシャ時代から現在までの間に。α星のカストルの明るさが落ちたためか、あるいはβ星のポルックスが明るくなったためかもしれません。
 ギリシャ神話では、このふたごは大神ゼウスの子供たちです。日本でも、この2つの星を「おとどい星」(おとどい=兄弟)と呼ぶ地方がありました。むかしアラビアでは「二羽のくじゃく」と呼び、フェニキアでは「二ひきの子やぎ」、エジプトでは「二本の若木」などと2つの星を対になるものとして見ていました。

惑星
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太陽系第9惑星

 9つある惑星の中で太陽からもっとも遠いところを回っている冥王星。この冥王星が発見されたのが、ちょうどふたご座でした。1930年3月13日ローウェル天文台は新惑星の発見電報を世界に向けて打ちました。発見された位置はふたご座δ星の近くで黄道上にありました。3月半ば午後8時ごろふたご座は南中します。その夜人々は、胸を高ぶらせてふたご座を見上げたことでしょう。といっても冥王星を肉眼で見ることはできません。冥王星の明るさは15等級で、目で見えるもっとも暗い星の4000分の1の明るさです。そのため冥王星発見にも大変な苦労がともないました。
 ローウェル天文台では、1915年から新惑星の発見に取り組んでいましたが成功しませんでした。その原因は新惑星が予想より暗いことにあると考えられたので、1926年もっと強力な望遠鏡をつくることになりました。新しい望遠鏡は17等級まで写真に記録できる性能があり、1929年に完成した後、さっそく星空の写真が撮られていきました。
 冥王星が発見されたふたご座では1枚の写真に約40万個もの星が写ります。それを数日後に写した同じ場所の写真と見くらべて位置が変わった星を見つけ出すという気の遠くなるような作業が行われた結果、歴史に残る大発見がなされたのでした。


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