カメラとレンズ 
 普通、写真を撮る場合は、250分の1とか500分の1といった高速シャッタースピードをよく使います。なにげなくシャッターボタンを押していますが、実は1秒の250分の1というほんの一瞬の間だけシャッターが開いているのです。しかし写すものが暗くなればなるほど長い時間シャッターを開けておかねばならず、天体を撮影する場合には何秒という長時間の露出ができるカメラが必要となります。時間をかけてかすかな光をフィルムの上に蓄積していくのです。
 そこで太陽や月などは別にして、星のような暗い天体を撮影する場合はシャッタースピードにB(バルブ)またはT(タイム)のあるカメラ、あるいは10秒以上のシャッターが切れるカメラを使います。B(バルブ)はシャッターボタンを押している間だけシャッターが開くもので、T(タイム)はシャッターボタンを押すとシャッターが開き放しになるものです。一眼レフと呼ばれるカメラの多くはこの機構がありますが、皆さんが手軽に使っているコンパクトカメラにはないかもしれません。

一眼レフカメラ

シャッタースピード
 レンズには50mmなどという焦点距離と、F2などという絞りの値が表示されています。焦点距離はズームレンズでは35〜105mmと書いてあるかもしれません。50mm程度を標準レンズといい、それより数字の小さいものを広角レンズ、大きいものを望遠レンズといいます。また絞りの値は、絞りリングに2.8、4、5.6、8と書いてあれば、数字の一番小さいのがそのレンズのF値です。専門的には(レンズの焦点距離)÷(レンズの直径)で求まる数字で、Fが小さいほど明るいレンズといいます。天体写真に向くのはF値の小さいレンズですが、4以下ならば十分です。絞りを一番小さな数字に合わせることを開放にするといいます。
 焦点距離はどんなものを撮るかによって決まりますが、星座なら35mmとか50mmくらいがいいでしょう。

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