フィルム 
 フィルムにはカラーと白黒があり、それぞれにさまざまな感度のものがあります。フィルムの外箱にISO100とか400と表示してあるのがフィルムの感度で、この数字が大きいほど暗いものを写すことができるため、天体写真には1600とか3200のような高感度フィルムを使うこともありますが、手軽に撮影するなら普通に皆さんが使っている100のものでも十分です。高感度フィルムは粒子が荒くて、出来上がりがざらついた感じになります。
 カラーと白黒ではどちらが適当かというと、やはりカラーをすすめます。星を撮るのにカラーは必要ないと思われるかもしれません。でも、私たち人間にとって星の色を感じるのが苦手なだけで、実際にはさそり座のアンタレスの赤色やおとめ座のスピカの真珠色など、天体は驚くほど色彩豊かです。

・フィルム表(参考)

カラーフィルム 白黒フィルム
フィルム名 感度 対象 フィルム名 感度 対象
コダックエクター25 25 太陽・月 フジ・ミニコピーHRU 3〜32 太陽・月
コダックエクタクローム100 100 月・惑星・星座 フジ・ネオパンF 32 太陽・月
フジカラースーパーHG100 100 月・惑星・星座 フジ・ネオパンSS 100 月・惑星・星座
フジカラースーパーHG400 400 惑星・彗星・星座 コニカパン100 100 月・惑星・星座
コニカカラースーパーDD400 400 惑星・彗星・星座 コダックプラスXパン 125 月・惑星・星座
コダックエクター1000 1000 彗星・流星・星雲 コダックトライXパン 400 惑星・彗星・星座
フジクロームP1600 1600 彗星・流星・星雲 コダックT−MAX P3200 3200 彗星・流星・星雲
コニカカラースーパーGX3200 3200 彗星・流星・星雲 コダックテクニカルパン2415 天体全般・水素増感可
 

豆知識・相反則不軌(そうはんそくふき)

 上にフィルム感度のことを書きましたが、この数字は昼間かせいぜい室内で写真を撮るような露出時間の場合の値です。天体写真のような長時間撮影では露出しているうちに徐々に感度が低くなります。露出時間を2倍にしても写り具合は2倍にはならないのです。これを相反則不軌といいます。普通、フィルム上では薬品が光に反応して化学変化を起こしますが、同時に逆の反応もおきており、フィルムに当たる光が弱いと「できかけの像」が「できあがった像」になりにくいのです。この対策としてフィルムを水素ガスで処理したり、カメラをドライアイスで冷却する方法がとられています。


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